2004 Fiscal Year Annual Research Report
Bisphosphonateの局所投与によるインプラント周囲骨の改善
Project/Area Number |
15592065
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
吉成 正雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10085839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
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Keywords | インプラント / 骨粗鬆症 / Bisphosphonate / 局所投与 / 薬物送達システム / Hydroxyapatite |
Research Abstract |
骨粗鬆症治療薬Bisphosphonate (Bis)は、破骨細胞の活性を抑制するだけでなく、骨芽細胞にも作用し、破骨細胞形成を阻害する因子の産生を、また細胞の分化、増殖、石灰化を促進する。さらには顎骨を浸潤する口腔癌細胞の活性を抑制するとも云われている。本剤をインプラントに固定して、その局所投与効果を発揮させ、インプラント周囲の母床骨を改善することにより、インプラントの適用範囲を広め、高齢者にも応用できるインプラント材を開発することを目的とした。 昨年度までに、担体に用いるHydroxyapatite (HA)顆粒の結晶性の比較、SEM観察、比表面積の測定を行うとともにBis-HAp複合体からのBisの徐放量の測定を行った結果、800℃および1200℃焼結顆粒は400℃に比べて結晶性が大きく、比表面積は焼結温度の上昇により低下した。また、Bisの徐放量は、24時間後、72時間後における徐放量は、HAの焼結温度が高くなるに従って減少する傾向を示した(p<0.01)。以上の結果から、Bisの徐放量はHAの焼結温度を調節することによりコントロールできることが示唆された。 本年度は、ウサギ(日本白色種、オス、七日齢)からの分離破骨細胞へのBps-HAp複合体投与実験を行い、投与後72時間での破骨細胞の生存率を調べた。Bps-HAp複合体による破骨細胞生存率実験において、Bps-HAp複合体投与群では、破骨細胞の生存率はBps400で36.1士18.2%、Bps800で58.8±20.7%、Bps1200で96.2士9.9%であった。複合体投与群であるBps400とBps800においては、コントロールと比較して有意に破骨細胞の減少が認められた(p<0.01)。 以上より、焼成温度を制御することにより、Bps-HAp複合体からのBpsの徐放量を制御できることが明らかとなり、Bisphosphonateの薬物送達システム(DDS)による局所投与の応用の可能性が見いだされた。
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Research Products
(10 results)