2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢義歯装着者における咬合高径の変化が嚥下動態に与える影響
Project/Area Number |
15592066
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
高木 一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (70349538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 薫 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20153950)
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (20366173)
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Keywords | 有床義歯 / 高齢者 / 摂食・嚥下 |
Research Abstract |
口蓋を被覆することが、嚥下時の舌圧に影響を及ぼすかどうかを検討した。被験者は健常有歯顎者21人(男性12人、女性9人、平均年齢25歳)とした。口蓋部を被覆しない状態をコントロールとし、硬口蓋を被覆する実験床を装着した際の最大舌圧及び嚥下時舌圧を測定した。舌圧の測定は、Hayashiらの方法に準じて各3回行った。受圧プローブを舌と口蓋前方部の間に挟みその状態で随意的に7秒間強く押し付けさせ、その間の最大圧を最大舌圧とした。また、ゼリー飲料5ml(ごっくんゼリー、三和化学研究所)を嚥下させ、その間の最大圧を嚥下時舌圧とした。最大舌圧、嚥下時舌圧それぞれについて、対応のあるt検定を行った。また、床で口蓋を被覆した際の飲み難さを、100mm Visual Analog Scale (VAS)を使用して、実験床を装着した状態で、ゼリー飲料5mlを嚥下した際の「飲み難さ」を測定した。VAS値の0値は被験者が「実験床を装着しない際と同等」とし、100値は「非常に飲み難い」とした。実験床を装着した際の最大舌圧と嚥下時舌圧は、装着しなかった場合と比較して有意差は認められなかった。義歯によって、口蓋部の機械的感覚を遮断しても嚥下時の舌圧には影響を与えないことが示唆された。また、実験床で口蓋部の機械的感覚を遮断した際の嚥下時の「飲み難さ」を、VASを用いて測定したところ、全ての者が実験床未装着時と比べて飲み難いと感じたものの、その程度には被験者間にばらつきがあることが分かった。
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