2005 Fiscal Year Annual Research Report
無歯顎患者への軟質裏装材使用義歯の効果について-無作為割付臨床試験による検討-
Project/Area Number |
15592071
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
郡司 敦子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (80170596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河相 安彦 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50221198)
木本 克彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70205011)
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Keywords | 総義歯 / 無作為割付臨床試験 / 軟質裏装剤 / 満足度 / 咀嚼値 / 栄養摂取充足率 |
Research Abstract |
平成16年5月より無作為割付臨床試験を開始し,18年1月現在で58名の被検者の無作為割付が終了した.ドロップアウトは5名で,軟質裏装材使用義歯へ28名、通法義歯に30名が割り付けられた。 以下に結果の一部を示す。 1,下顎義歯に対する患者満足度(VAS値) (1)総合的満足度 軟性義歯:通法義歯=62±34:42±33 (2)咀嚼 軟性義歯:通法義歯=64±32:38±29 (3)会話 軟性義歯:通法義歯=75±26:52±34 (4)清掃 軟性義歯:通法義歯=89±16:74±28 (5)安定 軟性義歯:通法義歯=75±31:54±33 (6)維持 軟性義歯:通法義歯=79±30:68±28 (7)快適性 軟性義歯:通法義歯=67±33:48±33 (8)下審美性 軟性義歯:通法義歯=90±15:78±27 維持を除く全ての項目に於いて,軟性義歯使用群の満足度が有意に高かった(p<.05). 2,下顎義歯に対する痛みの評価 軟性義歯群で46±39,通法義歯群で68±30の痛みを示し,軟性義歯使用群の痛みの訴えが有意に少なかった(p<.05). 3,褥創出現率 軟性義歯群で1.0±0.8,通法義歯群で2.2±1.5を示し,軟性義歯使用群の褥創数方が有意に少なかった(p<.05). 以上より,加熱重合型アクリル軟性裏装材の下顎総義歯への応用で,初回アポイント時の患者満足度の向上や褥創出現に対する抑制効果の存在が明らかになった. 本研究結果をもとに,平成17年9月の第5回日本大学口腔科学会学術大会発表を行い,さらに平成18年8月の第115回日本補綴歯科学会学術大会にて発表を行う予定である.
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Research Products
(1 results)