2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン含有DNAフィルムを用いた骨形成ドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
15592091
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Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
井上 勇介 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 助教授 (20105688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
岡畑 恵雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学部, 教授 (80038017)
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40172994)
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067185)
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Keywords | DNAフィルム / サイトカイン / 骨形成 / ドラッグデリバリーシステム / BMP / FGF / 人工脂質 / 吸収性担体 |
Research Abstract |
昨年度DNAフィルムの抗菌性について報告したが、抗菌性と同様にカンジダへの抗真菌性も認められた。 水晶発振装置を用いてDNAへのサイトカイン(BMP、b-FGF)の結合(インターカレーション、グルーブバインディング)を検討し、これらサイトカインの結合と抗ガン剤であるダウノマイシンの結合が認められた。 サイトカイン含有DNAフィルムの生体適合性の検討を、ヒト骨芽細胞様細胞のMG-63細胞を用い、MTS法にて細胞生存率を測定してin vitroにおける評価を行った。総してアルキル鎖が短い人工脂質を用いたDNAフィルムは細胞生存率が高かった。中でもDNA/C8-Gly、DNA/C10-Gly、DNA/C10-L-Alaが比較的高い細胞生存率を示した。 ラット皮下に埋入したサイトカイン含有DNAフィルムの炎症反応はほとんど認められなかったが、DNAフィルム自体も分解され認められなかった。また、骨形成は現在のところ認められていない。 ラット組織中では、最も分解が遅いと考えれたDNAフィルムも早期に分解されたため、蒸留水中では安定していた物も、組織中では分解が早く、また、電解質液中でも早く分解される物と考えられる。おそらくは、静電的に結合したlipidとDNAは、イオンが充満した環境下ては早く分解するものと思われる。従って、サイトカインも短期間で組織中に拡散され徐放が起こりにくいため、このままではドラッグデリバリーシステムとして使いづらい。そこで、現在、DNAフィルム単独ではなく塩化カルシウムとリン酸水素二ナトリウムの溶液に交互に侵漬する方法によりDNAフィルムにハイドロキシアパタイトを複合させる方法やDNAフィルムを比較的低分子量のポリ乳酸に均一に混合する方法について検討中である。
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