2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン含有DNAフィルムを用いた骨形成ドラッグデリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
15592091
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Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
井上 勇介 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 助教授 (20105688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (80084250)
岡畑 恵雄 東京工業大学, 院・生命理工学部, 教授 (80038017)
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40172994)
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067185)
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Keywords | DNA / サイトカイン / ドラッグデリバリーシステム / 人工脂質 |
Research Abstract |
BMP含有DNAフィルムは、人工唾液中でのフィルムの分解が早く、3日で溶解消失してしまった。これは、DNAと人工脂質が静電的に結合することで生成しているDNAフィルムは、電解溶液である人工唾液中で速やかにDNAと人工脂質がイオン化して分解していったものと思われる。また、ラットの皮下組織においても約3日で消失した。したがって、DNAフィルムは、そのまま口腔組織内あるいは唾液が貯留する口腔内で長期間とどまることは難しく、ドラッグデリバリーシステムとしてのDNAフィルムは、表面をさらにコーティングするなど、分解速度を遅くする方法の検討が求められる。 ドラッグデリバリーシステムにはDNAの二重螺旋構造が重要であるため、DNAを結合させる化学物質の更なる検索が必要である。キトサンは、毒性がなく、生体内で分解するアンモニウム基を有するカチオン性のポリマーで、創傷治癒などで使用されている。したがって、キトサンを人工脂質に変えて用い、DNAと反応させることにより、新たにドラッグデリバリーシステムの基礎的素材として用いることができるのではないかと考え検討した。DNA/キトサンコンプレックスは、pHが7.2のPBSバッファーやTris-HCLバッファーなどで洗浄すると空孔が生じ、daunorubicin hydrochlorideコンプレックスをインターカレートしたことから、DNAの二重螺旋構造が維持されているのが確認できた。また、MG-63細胞への毒性試験においても毒性がないことが認められ、ラットの皮下組織の毎入試験においてもマイルドな組織反応で、生体材料として適当であることが判明した。また、組織内においてもDNA/人工脂質コンプレックスよりも長く存在しているようであった。
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Research Products
(2 results)