2004 Fiscal Year Annual Research Report
Etsファミリー遺伝子導入による骨再生医療の試み-ナノテクノロジーの応用-
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15592092
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
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Keywords | Etsファミリー / E1AF / osteopontin / 骨形成 / 転写調節 |
Research Abstract |
Etsファミリーの転写因子は発生、分化、細胞増殖、免疫応答、アポトーシス等様々な基本的生物現象に重要な役割を果たすことが知られている。Etsファミリーの転写因子の結合領域はosteopontin遺伝子の転写調節領域に見出されており、その他の骨形成関連遺伝子マトリックスメタロプロテアーゼやvimentin遺伝子はE1AFや同じEtsファミリーのERMで転写が活性化することが申請者らの研究ですでに明らかになっており、以上の事実はEtsファミリーの遺伝子を骨原性幹細胞に導入することにより骨形成細胞に分化させ得る可能性を示している。本研究の目的はETSファミリーの遺伝子を導入することにより細胞が骨形成細胞に分化するかどうかを解析することである。 まず効率良くE1AF遺伝子を細胞に導入するためにE1AF発現ベクターを作成した。サイトメガロウイルス(CMV)遺伝子のプロモーターを持つベクターpcDNA3にE1AFの全長cDNAを挿入し発現ベクターpcDNA-E1AFを構築した。 次にE1AFにより骨形成関連遺伝子の転写が活性化されるかどうか検討した。Osteopontin遺伝子の転写調節領域をもつルシフェラーゼリポーターを用い、ルシフェラーゼアッセイでE1AFによるこの遺伝子の転写の活性化を検討した。その結果HeLa細胞でもH1299細胞でも転写の活性化が見られ、HeLa細胞では容量依存的にOsteopontin遺伝子の転写を活性化することがわかった。その他の骨形成関連遺伝子の転写もE1AFにより活性化されることを確認した。 一方E1AFの骨形成能を検討する目的で、MC3T3-E1細胞に上述したE1AFの発現ベクターを導入し、E1AFがstableに発現している細胞を作成したが、その細胞ではE1AFタンパクが検出できなかった。この原因を解明したところE1AFタンパクはユビキチン化を受け、タンパク分解酵素により分解されていることがわかった。実際タンパク分解酵素の阻害剤MG132で処理するとOsteopontin遺伝子の転写を活性化する能力が上がることも明らかになった。 本研究よりE1AFのタンパク分解阻害を行うと転写活性も上がり骨形成能が高まる可能性が示せた。
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Research Products
(3 results)