2003 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる炎症反応性骨硬化における骨芽細胞内シグナル伝達系の解析
Project/Area Number |
15592093
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
楠美 昭則 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90332494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠美 智巳 弘前大学, 医学部, 助手 (90322932)
佐藤 寿 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90311539)
福井 朗 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (70241479)
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Keywords | 骨芽細胞 / 一酸化窒素(NO) / Osteopretegeri / sRANKL / NO発生剤 / NO合成酵素阻害剤 / p38MAPK阻害剤 |
Research Abstract |
申請者らは、細胞伸展装置(スカラテック社、当研究室所有)を用いて、正常ヒト骨芽細胞に、7%、0.25Hz周期的伸展刺激法によってOPG産生亢進とsRANKL産生抑制について報告さらに、そのカスケードの関与に、一酸化窒素(NO)とp38MAPKの関与を強く示唆する結果を得て報告した。正常ヒト骨芽細胞とその専用培地は、三光純薬から購入した。 今年度は、伸展刺激を加えない、静止した正常ヒト骨芽細胞に、NO発生剤(NOC18)、NO合成酵素阻害剤(L-NMMA)、P38MAPK阻害剤でそれぞれ添加し、特にOPG産生の効果についてELISAを用いて解析した。まず、NO産生下の解析では、静止した正常ヒト骨芽細胞(5x10^4細胞/ml)に、NO発生剤であるNOC18、0.1、1、10μg/ml濃度で刺激し48時間培養後、OPG産生抑制ばかりでなく、骨芽細胞の増殖抑制が認められた。また、静止したヒト骨芽細胞にNO合成酵素阻害剤-NMMA、1、10、100μg/ml濃度で刺激し培養したところ、これはOPGの産生に効果はなかった。次にP38MAPK阻害剤(SB250380)を10^<-7>、10^<-6>、10^<-5>μMで刺激し培養したところ、むしろ、濃度依存的にOPG産生が抑制された。ただ、10^<-5>μM SB250380は抑制が強いが、細胞毒性も考えられ、さらなる解析が必要である。これに、伸展刺激を加えて、同様の解析を行った。正常ヒト骨芽細胞にNOC18、0.1、1、10μg/ml濃度で刺激と、伸展刺激を同時に加えた後、その細胞培養上清中のOPG、sRANKL産生量の影響について解析したところ、抑制効果はなかった。 今年度は、このことから、正常ヒト骨芽細胞から産生されるOPG産生の経路にはNOはあまり関係なく、むしろp38MAPK経路の関与が示唆された。 来年度は、P38MAPK阻害剤を用いて、mRNAレベルでreal-time RT-PCRまたは、Northern blotting法を用いて、さらなる解析を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 楠美 智巳: "骨基質蛋白質 オステオカルシン/骨Gla蛋白(BGP)"日本臨床 増刊号2. 62. 136-140 (2004)
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[Publications] Sakaki H: "Interleukin-1beta induces matrix metalloproteinase-1 expression in cultured human gingival fibroblasts : role of cyclooxygenase-2 and prostandin E"Oral Diseases. 10. 87-93 (2004)
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[Publications] Kusumi A.: "High IL-6 synthesis in cultured fibroblasts isolated from radicular cysts"Archives of Oral Biology. (In press). (2004)
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[Publications] Kimura H.: "Study on the mechanical stress-induced bone formation"Int J Oral Maxillofac Surg. 32,Supple.1. S25 (2003)
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[Publications] Fukui R.: "The interaction on chemokines and PMNs in cyst enlargement"Int J Oral Maxillofac Surg. 32,Supple.1. S92 (2003)
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[Publications] Kusumi A.: "The relation between bone remodeling and nitric oxide by cyclic tensile strain which induced p38 MAPK activation and osteoprotegenin synthesis in human osteoblasts"Bone. 32,Supple.. S138 (2003)