2003 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺腺様嚢胞癌における遺伝子発現状態の独自開発DNAチップによる検索
Project/Area Number |
15592096
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横江 秀隆 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70261930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50345013)
瀧口 正樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40179578)
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Keywords | マイクロアレイ / cDNA / 遺伝子発現プロファイリング / 唾液腺腫瘍 / 腺様嚢胞癌 |
Research Abstract |
当教室ではすでに唾液腺疾患解析用cDNAマイクロアレイを独自に開発し、その有効性を培養細胞株、および実際の臨床サンプルで実証しており、現在、さまざまな疾患と関連した遺伝子の特定を行っている。本研究はその一環として、唾液腺腺様嚢胞癌の遺伝子発現プロファイリングを調べ、正常唾液腺組織、唾液腺癌(adenocarcinoma)、正常扁平上皮組織、扁平上皮癌における遺伝子発現状態との比較を行い、腺様嚢胞癌に共通で特異的な遺伝子を特定することを目的とする。本研究は千葉大学生命倫理委員会の承認を受け、その指導に従って遂行されている。 われわれの独自開発したcDNAマイクロアレイは、778種類の唾液腺由来cDNAクローンに、口腔扁平上皮由来cDNA libraryに含まれる1423種類のcDNAクローンのうち唾液腺由来cDNAクローンと重複のない1237種類のクローンを加え、さらにコントロールとして36種類のcDNAを加えた、合計2201種類のcDNAクローンを搭載している。このマイクロアレイを用いた解析結果をreal time PCRで確認した。この結果、正常口腔粘膜に比較して扁平上皮癌においてはC20orf21(AK000398)、Interleukin 1β(X56087)、Centaurin gamma 2(AB029022)、Adenylyl cyclase-associated protein(M98474)、Rh type C glycoprotein(AF081497)、Spermine syntase(AD001528)、Copine 1(U83246)、KIAA0251(AK025504)などの遺伝子が発現増強しており、逆にCytokeratin 13(X52426)、Paired-like homeodomain transcription factor 1(BC003685)、Hypothetical protein FLJ20150(AJ276691)、Small proline-rich protein(M84757)、Cartilage link protein(X17405)、G-protein alpha 15(M63904)、Interleukin receptor antagonist(X52015)、Transglutaminase(D90287)などの遺伝子が発現減弱していた。腺様嚢胞癌を含む腺系癌においては、正常腺組織に比較して、Decay accelerating factor for complement(CD55)、Inducible signaling pathway protein 2等が発現増強しており、Insulin-like growth factor binding protein 3、Fos-like antigen 1、Human vimentin gene、Immunogloblin heavy constant mu、T cell receptor beta chain、Dehydrogenase/reductase member 2、18SrRNA gene(Gen bank accession number)等が発現減弱していた。今後、腺様嚢胞癌に特異的な発現パターンを示す遺伝子を検索する予定である。
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