2003 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素症が自律神経機能に及ぼす影響-自律神経活性と脳内ホルモン動態に関する検討-
Project/Area Number |
15592106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉村 光隆 大阪大学, 歯学研究科, 助教授 (90244954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 均 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30218250)
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Keywords | 低酸素症 / 自律神経 / 交感神経活性 / 副交感神経活性 / 血圧ゆらぎ / 心拍ゆらぎ / ドーパミン / セロトニン |
Research Abstract |
本研究は吸入酸素濃度を低下させた時の循環動態のゆらぎならびに脳内ホルモンを解析して、自律神経活動への影響(交感神経系活性・副交感神経系活性)を検討するものである。平成15年度においては、微量生体試料分析システム(脳内ホルモン解析用)が搬入されるまでの間、まず、雄性Wisterラット(体重250〜300g)を覚醒(無麻酔)・無拘束下で、吸入酸素濃度を20%から10%(定常期、10分間)とし、その間の血圧、心拍数(60/SS、SS;各SBP-SBP間隔)のゆらぎから自律神経活性を解析した。 その結果、吸入酸素の下降期(20→10%)では、最初は交感神経機能の賦活および副交感神経の抑制によって、心拍数は増加した。定常期(10%、10分間)では、交感神経の応答が低下し、替わって副交感神経活性が上昇した。その結果、収縮期血圧および心拍数の低下をもたらした。上昇期(10→20%)では、全項目とも対照値へと回復していった。この内容については、現在、論文執筆中である。 微量生体試料分析システム(脳内ホルモン解析用)が搬入後より、(1)試薬の調整、(2)機器のメンテナンス、(3)動物実験モデルの作成、(4)データ採取、(5)実験後の処理(脳内埋入プロープ位置確認、データ処理)など各段階における実験準備を進めており、約6ヶ月を要して現在に至っている。最近、低酸素状態での脳内ホルモン(ドーパミン、セロトニン)の動態を検索するための予備実験をスタートさせた。なお、本実験のプロトコールでは比較的短時間での動態を追跡することを目的とするため、5分間隔でのサンプリング時間を設定しており、測定技術の限界上、ドーパミンおよびセロトニンの両者を測定することとした。
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