2003 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞性骨吸収を標的とした癌の骨浸潤・骨破壊の制御に関する研究
Project/Area Number |
15592111
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目瀬 浩 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40325098)
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Keywords | 破骨細胞性骨吸収 / 血管新生阻害剤 / 高カルシウム / マイクロアレイ / 骨破壊 / 遺伝子 / 分子標的治療 / 血管新生 |
Research Abstract |
我々は,血管新生阻害剤TNP-470に破骨細胞形成抑制作用ならびに破骨細胞性骨吸収活性阻害作用を有することをin vitroならびにin vivoの骨吸収系モデルで明らかにし,さらに実験的癌誘発高カルシウム血症モデルや乳癌骨転移モデルを用いてその抑制効果を明らかにしてきたがTNP-470の破骨細胞性骨吸収抑制分子機構は全く不明である.TNP-470により破骨細胞分化促進因子(RANKL, M-CSF)による破骨細胞前駆細胞→単核破骨細胞→成熟多核破骨細胞への分化が直接抑制されることに基づき,RANKLとその受容体RANKの結合から下流の転写因子NF-kBに至る細胞内情報伝達系およびM-CSF/c-Fms系の細胞内情報伝達系に対する解析およびTNP-470の標的分子MetAP-2の作用が全く不明なことから,C57 blackマウスの脾細胞より調整した血液幹細胞にsRANKLとM-CSFを添加し誘導される破骨細胞形成系に対して,TNP-470を添加し,これらの細胞よりRNAを回収し,種々のcDNA(1176種類)のDNAアレイを用いて網羅的にハイブリダイゼーションを行い,画像解析リフトを用いて遺伝子の発現プロファイルを作製し,TNP-470による差次的な発現を示す遺伝子をMetAP-2関連の破骨細胞形成抑制の候補遺伝子として検索した. TNP-470投与により増加する遺伝子群 10-120倍(19遺伝子),5-10倍(23遺伝子),4-5倍(19遺伝子),3-4倍(32遺伝子) TNP-470投与により減弱する遺伝子群 10-120倍(25遺伝子),5-10倍(50遺伝子),4-5倍(32遺伝子),3-4倍(65遺伝子) TNP-470により変化する遺伝子群がHigh(93),Low(172)であり.合計265遺伝子が関連遺伝子と考えられた.既知の破骨細胞形成関連遺伝子群(osteopontin, CCN2,)に変化はなかったが,c-fos遺伝子発現の増加を認めた.RANK関連シグナルに関しては検索関連遺伝子では大きな変化は認められない傾向にあるが多岐に及ぶため評価に関しては検討中である.
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