2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抵抗性口腔扁平上皮癌細胞のサバイバルメカニズムとその克服に関する検討
Project/Area Number |
15592137
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
坂井 隆之 東邦大学, 医学部, 講師 (60260577)
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Keywords | 頭頚部扁平上皮癌 / Apoptosis / Cell Survival / phospholipase D / gene supression / 阻害剤 |
Research Abstract |
口腔領域のみならず悪性腫瘍の発生、伸展、化学療法・放射線治療にとって遺伝的に傷害を受けた細胞のアポトーシスからの逸脱は、腫瘍の発生、治療に対して大きな問題である。研究代表者は、今までに糖タンパク質の一種であるラクトフェリンが培養ヒト舌由来扁平上皮癌細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導する可能性見い出したが、細胞によりアポトーシス誘導に抵抗性を示すもの(HSC-4 cell)では、PLDの活性化とPKB/AKtのリン酸化がみられ、さらにMAP Kinasesファミリーの活性化において感受性を示すものと違いが見られた。これを踏まえ本年度より平成17年度までに、培養ヒト舌由来扁平上皮癌細胞HSC-4のアポトーシス抵抗性のメカニズム、特にPLDおよび、ERK、およびPI3K/Aktの関与について検討し、口腔扁平上皮癌を含む固形癌のchemo-privention,抗癌剤や放射線治療に対する抵抗性の克服における分子標的を特定してゆくことを目標とした。本年度は、アプローチとしては、現在予備的に行っている阻害剤処理細胞の抗癌剤CDDP,ラクトフェリン及び無血清ストレスによる細胞障害性の変化を明らかにすると共に、リポフェクションによる発現抑制実験の条件設定の為の予備実験をおこなった。 結果: 1、HSC-4はラクトフェリンのみでなく、少なくとも白金製剤系抗癌剤(CDDP)や無血清ストレスによる細胞死にも抵抗性を示した。 2、PLD阻害による細胞傷害性:1級アルコール(今回は、1-ブタノール)存在による細胞傷害性を2級アルコール(今回は、2-ブタノール)と比較した所、1%で1-ブタノールが2-ブタノールにくらべ細胞を障害した。 3、HSC-4細胞には、RT-PCRによりPLD1および2が対照となるSAS細胞と同程度の発現が見られた。 4、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびiRNAの導入に適したカチオンリポソームの選択:リポフェクションにより細胞内のサバイバルに関する分子の発現抑制をおこなうためアンチセンスオリゴヌクレオチド(またはiRNA)の導入効率を市販のカチオンリボソーム試薬(4種類)を購入GAPDHに対するsiRNA導入による発現抑制を指標に検討、処理条件もあわせて検討した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sakai T, Sugiyama T, Bannno Y, Kato Y, Nozawa Y: "Possible involvement of phosphatidiylcholine-specific phospholipase C in prostaglandin F2a-stimulated proliferation in osteoblast-like MC3T3-E1 cells"J. Bone Mineral Metabolism. 22(3)(in press). (2004)