2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液アミラーゼ活性を用いた小児ストレス定量化の臨床応用
Project/Area Number |
15592160
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐野 富子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (40323977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 義浩 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30251838)
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Keywords | 唾液アミラーゼ活性 / 小児歯科 / 歯科治療 / ストレス / 歯科恐怖 |
Research Abstract |
小児における歯科受診時の心理状態をより客観的に評価する目的で、平成15年度の予備実験により確立した計測方法に基づいて唾液アミラーゼ活性を経時的に測定し、その変化について成人と比較検討した。 1.小児を対象とした調査 定期診査のため、新潟大学医歯学総合病院小児歯科診療室を受診した8〜11歳の患児を対象とし、吐唾法により来院時、診療後にうがいをした直後、診療15分後の安静時唾液を採取した。唾液採取後、直ちに凍結保存し、解凍後10000g、5分間遠心分離の後に、G5-β-CNP基質法にてアミラーゼ活性を測定した。その結果、来院時と比較して診療後にうがいをした直後、診療15分後の方がアミラーゼ活性は有意に低いことがわかった。 2.成人を対象とした調査 事前に実験内容を説明し同意を得た、健康な26〜42歳の成人を対象とし、上記と同様のタイムスケジュールにて安静時唾液を採取しアミラーゼ活性を測定した。その結果、成人では来院時や診療15分後より、診療後にうがいをした直後の方がアミラーゼ活性は有意に低いことがわかった。 小児・成人を対象とした両調査において、うがいをした直後に唾液アミラーゼ活性の低下を認めたことから、うがいの影響を調べるために以下の追加実験を行った。 3.うがいによる影響(追加実験) 健康な26〜42歳の成人を対象に、うがいの有無の2系で経時的に安静時唾液を採取し、アミラーゼ活性を測定した。その結果、うがい直後ではアミラーゼ活性が低下することがわかった。 以上の結果から、小児患者は来院時に少なからず不安や恐怖を感じているが、診療後にはこれらの精神的負担は取り除かれるものと考えられた。現在は、小児ストレス定量化の臨床応用に向けて、経時的な唾液アミラーゼ活性の変化と、歯科恐怖心、歯科治療中の行動評価との関連について検討中である。
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