2004 Fiscal Year Annual Research Report
未分化間葉系幹細胞を用いた人工歯根膜組織再生法の確立
Project/Area Number |
15592165
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 幸太郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20322240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 康文 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00335663)
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / 歯根膜 / 再生 / ヒアルロン酸 / ヒアルロニダーゼ / RGD-CAP |
Research Abstract |
本研究により、以下の検討を行い、研究成果が得られた。 1.未分化間葉系幹細胞の増殖・分化に対する各種増殖因子の影響;ウサギ骨髄より抽出した未分化間葉系幹細胞を3次元コラーゲンゲル上に播種し、培養を行った。さらに、各種増殖因子存在下で培養を行い、増殖能および分化能を検討した結果、bFGF存在下において、未分化間葉系幹細胞は分化が抑制されるとともに、増殖能の向上が認められることが明らかとなった。また、TGF-β存在下では、未分化間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化が達成されることが示された(Yoneno K., et al.投稿中)。 2.1の結果に関連して、軟骨細胞の分化におけるヒアルロン酸の機能を検討した。その結果、軟骨基質の形成には、ヒアルロン酸が重要な役割を果たしており、その代謝調節にはヒアルロン酸合成酵素(HAS2,3)およびヒアルロン酸分解酵素(HAYAL1,2)が関与していることをつきとめた。さらに、軟骨分化に特異的な段階である肥大期においても、ヒアルロン酸が軟骨細胞の肥大化に直接関与し、その代謝調節がHAS2,3およびHYAL1,2により行われている可能性を示唆した(Suzuki A., et al. Biochim Biophys Acta.,1743(1-2),2005)、(Tanimoto K., et al. Cell Tissue Res. 318(2),2005)。 3.また、RGD-CAPの強制発現ベクターおよびsiRNAを用いた際の、歯根膜細胞の増殖能・分化能を検討した。mRNAのクローニングを行った後、これを強制発現ベクターに形質転換し、目的蛋白の発現の確認に成功した。その結果、RGD-CAPによる歯根膜細胞の石灰化抑制能が明らかとなった(Doi T., et al. Arch Oral Biol.,48(8),2003)。 今後は、以上の成果をふまえ、RGD-CAPおよびヒアルロン酸などの細胞外基質分子を媒介にした未分化間葉系幹細胞の増殖法を確立し、人工歯根膜の開発へと発展させていく。
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Research Products
(3 results)