2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592169
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佛坂 斉祉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90199513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 晃 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30094767)
根元 孝幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90164665)
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Keywords | 破歯細胞 / 破骨細胞 / 歯根吸収 / MAPK / MEK / ERK / p38 / RANKL / 分化誘導 |
Research Abstract |
矯正中の歯牙,脱臼や咬合性外傷による外傷歯,再植歯などの歯科治療時に度々遭遇する問題に歯根吸収がある.この歯根吸収を引き起こす主役は破歯細胞で破骨細胞と同じと考えられている。 先ず、In vitroでの歯根吸収モデル実験でのMAPK阻害剤とMAPK遺伝子導入矯正発現の影響をみた。前駆細胞(マクロファージ系細胞)をリン酸カルシウム被膜培養プレート上でM-CSF、RANKL存在下で培養した。この培養系にMAPK阻害剤(MEK/ERK阻害剤とP38阻害剤)を添加し,固定後TRAP染色を行い破骨細胞の形成を観察したところ,MEK/ERK阻害剤において破骨細胞形成の促進がみられ、また、p38阻害剤によって破骨細胞形成の抑制がみられた。続いて,P38,ERK,MEKの野生型,変異型(失活型と常時活性型)の遺伝子ベクターDNAに組込み大量調製し,培養破骨細胞前駆細胞にトランスフェクションし,破歯細胞の分化誘導をみた結果,予想に反し特に顕著な差異を認めなかった。 続いて、破骨細胞形成の時間的要素について検討した。p38MAPK阻害剤SB203580は破骨細胞形成初期において抑制的に作用し、後期の細胞融合時および硬組織吸収時においては全く影響を及ぼさなかった。このことはp38が破骨細胞分化形成初期に働いていることを示唆している。さらに、破骨細胞融合時における刺激因子を検討したところ、RANKL以外にTNFα,リポポリサッカライド等の刺激因子で破骨細胞の融合が誘導されることがわかった。このことは、矯正力や外傷等の機械的刺激による慢性炎症時に、歯周病菌を含む歯周病因子が存在すると、強力に歯根吸収を促進する可能性を示唆するものと考える。
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Research Products
(1 results)