2006 Fiscal Year Annual Research Report
矯正治療に用いる骨形成因子複合化吸収性骨膜下インプラントの開発と臨床応用
Project/Area Number |
15592182
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Research Institution | Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
後藤 滋巳 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60142577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 高正 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (70221249)
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (60301636)
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Keywords | 矯正治療用固定源 / 骨膜下インプラント / 生体材料 / 骨形成因子 / ポリ乳酸 / 吸収性生体材料 |
Research Abstract |
矯正用インプラント使用患者へのインプラント設置、撤去時の侵襲は歯根や歯槽骨に与える影響が大きい。そこで歯科矯正の治療期間は確実な固定源として使用し、矯正治療後には生体内で吸収されて撤去を必要としない、歯科矯正治療専用の新しい生体吸収性インプラントの開発を本研究の目的とした。 平成18年度の研究結果として、矯正歯科治療に応用するために、ポリ乳酸の経時的な強度をコントロールするための方法を確立することに努めた。その理由として、平成17年度の研究結果から、ポリ乳酸インプラントに100gの応力を付与したところ、経時的に強度は低下するものの治療期間を加味すると、矯正治療の固定源としては十分に応用が可能であることが示唆された。しかし、動物実験においてその吸収速度と強度低下は矯正治療の期間よりも早く低下することが判明した。 そこで、本年度はこれまでの結果をふまえ、ポリ乳酸が生体内で吸水による強度低下を起こしにくくすることが強度をコントロールするための第一条件とし、まず、スパツタリング法によるポリ乳酸表面へのAuコーティングを行った。コーティングの後、In Vitroにおいて、37℃の生理食塩水中における経時的な強度低下と分子量の変化を検討した。その結果、Auスパッタリングしたものはコントロールに比較し、長期吸水状態においても強度低下が少なく、分子量の低下も緩やかであった。よって、ポリ乳酸インプラントを矯正治療に応用するための強度コントロールは製造時におけるポリ乳酸の分子量を高くすることのみならず、吸収コントロールによる強度のコントロールもきわめて重要であると示唆された。これらのコーティング技術によって、皮質骨や海面骨、粘膜下など、植立部位に応じたコントロールが可能と考えられ、応用範囲が飛躍的に上がるものと結論づけられた。
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Research Products
(1 results)