2003 Fiscal Year Annual Research Report
環状ウレタン系モノマーと複合型フッ化物による低粘性コンポジットレジンの開発
Project/Area Number |
15592183
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
久保山 博子 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10258593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10122780)
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Keywords | 低粘度コンボジットレジン / フッ素徐放性 |
Research Abstract |
修復用コンボジットレジンにフッ素徐放性を付与することができれば,コンボジットレジン修復時の周辺部の歯質の耐酸性の向上や,二次う触の予防効果が期待できる。 本研究では小児の歯科治療や、保存治療のミニマルインターベンションを目指したフロアブル型コンボジットレジンにフッ素徐放性を付与した新しいコンポジットレジンの開発のための基礎的研究として、溶解速度の異なる6種のフッ化物と、親水性の異なる2種の2官能性メタクリレートおよび微粒子シリカからなる光重合型コンボジットレジンモデル組成物を調製し、ベースレジンの親水性がフッ素徐放性や機械的性質に及ぼす影響について検討した。 コンポジットレジンの調製には、親水性の異なる2種の2官能性メタクリレート(エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート(EDEDMA、共栄社化学)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA、新中村化学))とウレタンジメタクリレート(UDMA、根上工業)を各々50/50wt%で混合し、さらに光重合開始剤(カンファーキノンを0.5wt%/ジメチルアミノエチルメタクリレート1.0wt%)を溶解しベースレジンを調製した。そして、このベースレジンにフッ化物(フッ化ナトリウム(NaF)、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(FBNa)、テトラフルオロホウ酸アンモニウム(FBAm)、ヘキサフルオロチタンカリウム塩(FKTi)、ヘキサフルオロチタンナトリウム塩(FNaTi)、ヘキサフルオロスズナトリウム塩(FNaSn) Aldrich社)およびシラン処理高純度微粒子シリカ(平均粒径8-12μm、イズミテック)を、ベースレジン/シリカフィラー/フッ化物=66.6/38.4/5.0(wt%)の割合で添加し、フッ素徐放性光重合型コンポジットレジンを調製し、吸水量の測定、フッ素イオン溶出量の測定、力学的性質の測定を行った。その結果、1.EDEDMAはコンポジットレジンの吸水性を高め、TEGDOMA/UDMA系コンボジットレジンの約3倍の吸水量を示した。 2.試作コンポジットレジンからのフッ素イオンの溶出速度は、EDEDMA/UDMAをベースとしたコンポジットレジンがTEGDMA/UDMA系に比べて大きかった。しかし、7〜21日で徐々に減少したのに対して、FBNaおよびFBAmを含むTEGDMA/UDMAコンポジットレジンは28日までほぼ同じ溶出速度が持続された。 3.FBNaを添加したコンホジットレジンは、ベースレジンの違いに関係なく市販のGICセメントの約10倍に相当する大きなフッ素溶出量を示した。 4.力学的性質はTEGDMA/UDMA系がEDEDMA/UDMA系より総体的に高い値を示したが、添加するフッ化物による影響も強くみられ、溶解性の大きいFBNaおよびFBAmを含むコンポジットレジンが、水中浸漬による影響が大きかった。
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