2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病発症におけるHPA-axisを介したストレス反応の分子生物学的解析
Project/Area Number |
15592188
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉野 宏 広島大学, 病院, 講師 (50240338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 浩之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10224750)
日野 孝宗 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20274102)
中村 茂夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00325200)
長谷川 直彦 広島大学, 病院・助手 (10346512)
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Keywords | ストレス / HPA-axis / 歯周組織 |
Research Abstract |
ヒト歯周組織におけるHPA-axisを構成する因子の分子生物学的検討を行い、以下の結果を得た。 (1)ヒト歯周組織由来培養細胞において、Corticotropin releasing hormone(CRH)、CRH receptor 1(CRHR1)、Proopiomelanocortin(POMC),Prohormone convertase-1(PC-1)mRNAが発現していた。Adrenocorticotropic hormone receptor(ACTHR)mRNAは歯肉線維芽細胞と歯周靱帯由来線維芽細胞において,CYP11A1mRNA発現は歯肉上皮細胞においてのみ検出された。 (2)ヒト歯肉上皮細胞、ヒト歯肉線維芽細胞においてCRH, ACTH分子が産生されていた。CRHは歯肉線維芽細胞において、ACTHは歯肉上皮細胞において多く産生されていた。 (3)歯肉線維芽細胞において代表的な炎症性サイトカインであるInterleukin-1β(IL-1β)とTumor necrosis factor-α(TNF-α)によってPC-1mRNA発現が誘導された。 (4)ヒト歯周組織において、CRHとACTH産生を免疫組織化学的に検討したところ、歯周病患者の組織において健常者よりも強い陽性反応を認めたが、その中でも強い陽性反応と弱い陽性反応を示す場合があり、様々な反応が認められた。 以上の結果から、局所におけるストレス反応系の存在が示唆された。また、炎症局所においてこの系が何らかの役割を担っていることが示唆された。さらに、歯肉上皮細胞においてステロイド産生に関与する修飾酵素が発現していたことから、このストレス反応を構成する因子が一連の系として存在する可能性がさらに支持された。
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