2005 Fiscal Year Annual Research Report
βディフェンシン遺伝子導入による生体局所における細菌感染抑制効果
Project/Area Number |
15592196
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
賀来 亨 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60133253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
中島 啓介 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (80227785)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
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Keywords | βディフェンシン / 抗細菌性蛋白 / 遺伝子導入 / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
βディフェンシンは主に上皮で発現している抗細菌性蛋白である。口腔上皮での細菌感染防御機構に大きく関与し、口腔上皮でのβディフェンシンの発現状態は、口腔上皮由来細胞株の一つであるKB細胞で、βディフェンシンのtype1と2の発現が著しく減弱し、最近の報告でも同様に発現していないことを確認した。われわれは、この細胞と若年性歯周炎や進行性歯周炎の原因菌Actinobacillus actinomycetemcomitance(Aa)を用いて歯周炎とβディフェンシンの関連実験を行い、Aa菌の感染により、KB細胞がアポトーシスに陥ることを立証していた。そこで、KB細胞にβディフェンシン2の遺伝子を導入し、Aa菌の感染を抑制できるとの仮説をたて、実験を行った。その結果、Aa菌のアポトーシスの抑制されることが明らかになった。さらに最近の報告からβディフェンシン3は、type1や2に比べ、抗菌効果が強く、salt sensitiveでもないことから、生体内での抗菌効果がより期待できると考えられる。一方、βディフェンシンの一塩基多型、変異に関する報告もなされ、歯周炎の発症との因果関係が注目されはじめている。われわれのこれまでの実験データは、歯周炎発症ハイリスク患者に、予防的遺伝子治療の可能性を提供するものとなり、in vivoで同様の効果が得られるかを確認する必要がある。本研究では、KB細胞をヌードマウス皮下に移植し、アデノウイルスによるβディフェンシンの遺伝子導入を行ったものと行わないものそれぞれに、Aa菌を感染させ、βディフェンシンの遺伝子導入による感染抑制効果について検索した。感染率の評価は、感染後tumor massのサイズ、およびabscess formationの有無により確認した。その結果、βディフェンシンの遺伝子導入したものでは有意に感染率の低下が観察された。この結果に一部は学会により発表し、現在論文投稿準備中である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A new paradigm of taitanium-bone bonding=creation of the collaboration zone between the both substanaces, by use of 3-S titanium web, which is attatached to the titanium bulk by vacuum sintering2005
Author(s)
Kuboki Y, Yoshimoto R, Katoh H, Li D, Kaku T, Tanaka T, Kaneko M, Yanagisawa A, Tsuru K, Osaka A, et al.
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Journal Title
Archives of Bioceramics Reseach 5
Pages: 146-149
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