2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌に由来する糖脂質抗原を用いた歯周病の免疫療法確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
15592199
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
大山 秀樹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90280685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
植村 靖史 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40364781)
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
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Keywords | 糖脂質抗原 / T細胞株 / 樹状細胞 / 歯周病細菌 / 免疫療法 |
Research Abstract |
本研究は,歯周病原細菌に由来する糖脂質抗原を用いて歯周病の免疫療法を行なうための基礎を確立させることを目的に,糖脂質抗原の同定およびそれら糖脂質抗原を認識するT細胞集団のプロフィールを明らかにする試みである。本年度は,歯周病原細菌からの糖脂質抗原の調整,および歯周病原細菌由来糖脂質抗原を認識するT細胞株の樹立を行なった。 P.gingivalis, A.actinomycetemcomitans, T.denticolaの3菌種を抗原に選定し,Folch法を採用することにより全菌体の破砕物から比較的極性の高い糖脂質を抽出することができた。抽出された糖脂質をDMSOに溶解しろ過滅菌を行なうことによって粗抗原液を得ることが出来た。調整した3種類の粗抗原液を混合し,各細菌由来の糖脂質抗原(10μg/ml)存在下において樹状細胞と共培養することにより,効果的に糖脂質抗原を提示させた。健常者由来末梢血T細胞と抗原提示させた成熟樹状細胞とを共培養した後,HLA-DRタイプの一致しないalloの樹状細胞を抗原提示細胞として繰り返し共培養することを行ない,抗原特異性を有するT細胞株を8株樹立することが出来た。これら,T細胞株は,抗原存在下において抗原非存在下と比較して,約3倍程度の増殖活性を有した。現在,これら粗抗原においてT細胞の増殖応答を誘導する糖脂質を同定することを計画している。一方,抗原提示細胞を未熟樹状細胞および未熟樹状細胞+末梢血単核球とした場合においては,抗原特異的なT細胞株は誘導されなかった。 今後,粗抗原に含まれるT細胞の増殖応答を誘導する糖脂質を同定,および被験者数を増やすことを行なう予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Michio Meguro: "Ligation of IFN-γ-induced HLA-DR Molecules on Fibroblasts Induces RANTES Expression via c-Jun N-terminal Kinase(JNK)Pathway."Cytokine. 22・5. 107-115 (2003)
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[Publications] Yoshihiko Soga: "Tumor necrosis factor-alpha gene(TNF-α)-1031/-863,-857 single nucleotide polymorphisms(SNPs)are associated with severe adult periodontitis in Japanese."Journal of Clinical Periodontology. 30・6. 524-531 (2003)
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[Publications] Sho Matsushita: "HLA-mediated signaling via HLA-peptide-TCR complex determines immune responses of antigen-presenting cells."Current Topics in Peptide & Protein Research. (in press).
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[Publications] Hideki Ohyama: "SNPs on IL-12 receptor gene associated with the susceptibility to leprosy."US-Japan Cooperative Medical Science Program. 38. 105-110 (2003)
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[Publications] 大山 秀樹: "歯周病医療から健康科学への貢献とその展望 -生物学の立場から・その2-"ザ・クインテッセンス. 22・5. 199-203 (2003)
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[Publications] 工藤 値英子: "歯周治療により炎症マーカーが改善したと考察された重度歯周炎を伴なうリウマチ患者の症例報告"日本歯科保存学雑誌. 46・1. 110-117 (2003)
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[Publications] 松島 綱治: "分子予防環境医学 -生命科学研究の予防・環境医学への統合-"分子予防環境医学研究会. 768 (2003)