2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔内のバイオフィルム内における微量細菌の動態に関する研究
Project/Area Number |
15592204
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本郷 博久 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00281816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40157904)
本多 丘人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (30109475)
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Keywords | 口腔内 / バイオフィルム / 細菌 / 走査電顕 / ISH法 / 線毛 |
Research Abstract |
学内の倫理委員会の承認と患者さんの承諾を受け、付属病院の外来患者さんの口腔内からバイオフィルムを採取し、走査電顕による観察並びにISH法による微量細菌の検出を行った。また、選択培養による微量細菌の検出に備えて採取したバイオフィルムの一部を凍結保存した。走査電顕ではラセン菌、桿菌、真菌などが観察された。またPorphyromonas gingivalisの線毛らしき構造物が観察された。この線毛はバイオフィルムの形成やヒトの上皮細胞への接着に重要な役割を演じていることが報告されているが、これまで走査電顕による線毛の観察例は報告されていない。走査電顕によってP.gingivalisの線毛が観察できるかどうか確認するため、純粋培養したP.gingivalisの線毛を壊さぬように工夫して走査電顕で観察したところ、多数の線毛が立体的に観察された。また線毛がコロニーの形成や赤血球凝集にも深く関わっている様子も観察できた。 バイオフィルム内に微量に含まれている病原性の強い細菌を検出するために、緑膿菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、アシネトバクター、クレブジーラなどの細菌の16SrRNAの配列の中からその菌に特異的な配列を選び、相補鎖をプローブにしてISH法による染色を試みた。緑膿菌を検出する事ができたが、その他の細菌はまだ検出には至っていない。標的とする細菌の選択やISH法に関する技術的な不備もあったと思われるので、今後は検出方法を改善しながら実験していく所存である。バイオフィルム内におけるP.gingivalisの線毛の役割について走査電顕による観察結果から考察し、論文を作成中である。また、2005年3月のIADRで研究発表を行った。
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