2003 Fiscal Year Annual Research Report
心理テストを用いた歯科研修医の医療事故防止に関する研究
Project/Area Number |
15592207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 チエ 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20162703)
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Keywords | インシデント報告 / 医療事故防止 / 歯科研修医 / リスクマネジメント / 心理テスト / ストレス |
Research Abstract |
1.初診患者ならびに研修医(研修医の患者)に対する心理テストの分析 社会情勢の変化に伴い、過度なストレスにより心身のバランスを崩した患者や歯科医療者がみられる。日常診療の中でこれらの人々を把握することは、医療事故防止の上からも大切な事である。今回は、本研究の一環として、SDS(自己評価式抑うつ性尺度)、SCL(ストレス度チェックリスト)、STCL(ストレス耐性度チェックリスト)、SRRS(社会再適応評価尺度)を本学初診患者と研修医の患者に施行した。その結果、初診患者ではSCLから75-80%が健康度の高い患者であり、残る10-20%の患者にはSDSから抑うつ傾向がみられ、STCLではストレス耐性が低く、SRRSから循環器疾患やうつ病などのストレス関連病が発症しやすいことが判った。これに対して研修医の患者では、SCLから約85%が健康度の高い患者であり、SDSから5%弱の患者に抑うつ傾向がみられ、STCLではストレス耐性が低く、SRRSから約17%の患者が循環器疾患やうつ病などのストレス関連病が発症しやすい患者であることが判った。 2.研修医の医療事故に関する年間集計 (1)事故の内訳は、切削器具による口腔内の損傷が3件、切削器具による治療者の腕の損傷が1件、切削器具以外の器具による口腔内の損傷が1件、薬液の漏洩による事故が2件、治療終了後または根管治療中に気分が悪くなった例が2件、口腔内での器具の破損、診療終了後の針刺し、う蝕検知液の衣類への付着事故がそれぞれ1件であった。 (2)発生時間帯別の事故の頻度では、午前11時頃と午後3時頃に多かった。 (3)医療事故により後遺症の残った患者はいなかった。 (4)同一の研修医が2度医療事故を起こした事例があった。 (5)ニアミス(ヒヤリ・ハッと)の経験は、約92%の研修医が経験ありと回答している。最も多いのがバーの着脱に関するニアミスで23件、次にタービン・バーによる損傷のニアミスが20件、修復物の誤嚥のニアミスが18件(いずれも複数回答)であった。また、アクシデント(医療事故)の経験は、21%の研修医が経験ありと答えている。事故の内訳は(1)に記した通りである。
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Research Products
(1 results)