2003 Fiscal Year Annual Research Report
成熟途上にある幼若永久歯における非侵襲的う蝕診断システムの確立
Project/Area Number |
15592209
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐久間 汐子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00018756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 稔 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50157963)
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Keywords | う蝕診断 / Electrical Caries Monitor / DIAGNOdent / 第一大臼歯 / 小学生 |
Research Abstract |
実施経過 ・7月,研究対象児童が在学する学校長および教職員に研究内容・実施計画について説明した。 ・9月,当該村の教育委員会に対し同様に説明を行い,同意文書の文案について学校関係者より承認を受けた。 ・9月,新潟大学歯学部倫理委員会より本研究の実施計画について承認された。 ・10月,児童の保護者に対し,研究参加に対する同意を書面で得た。(同意者率:90% 465人/517人) ・11月,ベースライン調査 (1)対象歯:第1大臼歯(充填,シーラント処置歯を除く) (2)以下の順で口腔診査を実施(1,6年生:校内歯科診療室,2-5年生:集団健診形式) 萌出状態(4段階) 咬合面各部位の視診による診査(5段階) 咬合面各部位のElectrical Caries Monitor(ECM)診査(1,6年生のみ) 咬合面各部位のDIAGNOdent診査 探針を用いた視診型診査(歯面単位:6歯面):CO歯(スティッキー感)の識別 現在までの結果および考察 対象となる第一大臼歯を所有する6年生45名の133歯,320小窩に対するECMによる診査結果から,ECM Ratingは,上顎(2小窩)では遠心窩の方が,下顎(3小窩)では中心窩,遠心窩が近心窩に比べ,有意に数値が高かった。その他,ECM Ratingに関連した変数は,萌出状態,萌出後期間であり,視診は説明力が乏しかった。萌出後60ヶ月以上経過した歯(上顎34歯,下顎29歯)のECM Rating(平均)は,5小窩で2.21〜3.41であった。製作側の基準によると,健全な場合のECM Ratingは0〜2と示されているが,本研究でこの範囲に含まれた小窩は,萌出後5年以上経過した63歯155部位の54.2%であった。したがって,成熟途上にある歯の小窩に対するう蝕診断にECMを単独応用することは考慮を要すると思われる。
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