2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生における破骨細胞形成抑制因子および促進因子の発現制御機構の解明
Project/Area Number |
15592210
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島津 篤 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10274094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 真行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90166405)
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Keywords | osteoprotegerin / 歯根膜由来線維芽細胞 / エストラジオール |
Research Abstract |
口腔内において歯槽骨窩に位置する歯牙にとって、歯槽骨の骨量の減少は、咬合力に対する抵抗性の低下や、歯周疾患の憎悪要因になっている可能性がある。最近、osteoprotegerin(OPG)/osteoclasogenesis inhibitory factor(OCIF)は、骨芽細胞に発現し破骨細胞分化を強力に抑制する分泌蛋白質として同定された。しかしOPGの生理的な作用や各種骨代謝異常における病態生理学的な意義についてはほとんど不明である。 本研究では、エストロゲン作用の低下に伴う骨粗鬆症下の歯周組織におけるOPGの果たす役割を解明するため、ヒト歯根膜(PDL)細胞におけるOPGの発現に対するエストロゲンの効果について検討を行い以下の結果を得た。 1 エストラジオールは、PDL細胞に対してOPGの発現を用量依存性に誘導した。またその効果は、添加後12時間で最大を示した。PCR産物の塩基配列は、ヒトOPGの塩基配列と一致した。 2 PDL細胞に対するOPG発現誘導効果は、エストラジオールおよび合成エストラジオールであるエチニルエストラジオールで観察された。しかし男性ホルモンおよび卵胞ホルモンはOPG発現誘導効果を認めなかった。 3 エストラジオールで処置したPDL細胞の培養上清は、ODF添加により誘導されるRAW細胞の破骨細胞分化を部分的に抑制した。 以上の結果より、エストラジオールはPDL細胞においてエストラジオール受容体を介してOPG発現を制御していることが明らかとなった。従って、骨粗髪症におけるエストロゲン作用の低下は、歯周組織においてもOPGの低下を誘発し、歯周疾患の憎悪要因になっている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)