2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の院内感染に対する意識と院内耐性菌の動向:医療低開発国と我が国の比較研究
Project/Area Number |
15592235
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 助教授 (50274890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 正明 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00112384)
植村 恵美子 琉球大学, 医学部, 講師 (00223503)
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Keywords | 看護師の意識 / 院内感染 / 標準予防策 / 黄色ブドウ球菌 / 医療低開発国 |
Research Abstract |
1、看護職の意識調査 ラオスの看護師151人、日本の看護職221人に「院内感染に対する意識」についてアンケート調査を行った。調査期間はラオスでは2003年8月、日本では2003年11月〜12月、調査項目は院内感染の認識、標準予防策の基本である手洗い、手袋・マスク・ガウンの着用状況などだった。「院内感染の問題」を、ラオスでは90%、日本では65%が常に認識していた。「院内感染予防における看護者の役割」.および「手洗い」は、両国において、その重要性が認識されていた。「血液・尿・便に触れる可能性がある場合」はラオスでは92%、日本では88%が手袋を装着すると答えていた。「飛沫感染の可能性がある場合」は、ラオスではマスクを装着する者が98%、日本では80%だった。「清拭、更衣、体位変換など感染症患者と濃厚に接触する場合」は、ラオスでは60%、日本では42%がガウンを着用すると答えていた。 2、黄色ブドウ球菌の分離とMRSAを含む耐性菌の検出 平成5年(1993)からラオスの黄色ブドウ球菌に注目してきたが、平成13年(2001)に初めてMRSA2株が分離され、平成14年(2002)には4株が分離された。平成14年分離株のうち3株は、平成13年の株と同じ病院(S)から分離され、遺伝子レベルで同一のクローンと思われた。他の一株は別の病院(F)から分離され、遺伝子レベルでは他の3株と全く異なっていた。これはラオスにおけるMRSAの流行の初期段階を現していると思われる。このような結果を踏まえ、平成15年(2003)も調査を行ったところ、病院(S)から2株のMRSAを分離したが、前2年間に分離したMRSAとは異なる遺伝形質を示した。ラオスにおけるMRSAの蔓延を防ぐために今後も注意深いモニタリングが継続する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Higa, N.Sithivong, B.Phantouamth, S.Insisiengmay, T.Miyazato, M.Iwanaga: "Initial stage of hospital contamination with methicillin-resistant Staphylococcus aureus in Laos People's Democratic Republic"Journal of hospital infection. 56. 125-130 (2004)
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[Publications] Emiko Uemura, Shige Kakinohana, Naomi Higa, Claudia Toma, Noboru Nakasone: "Comperative Characterization os Staphylococcus aureus from Throats and Noses of healthy Volunteers."Japanese journal of infection diseases. 57・1. 21-24 (2004)