2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592237
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
菊池 和子 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (10305253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 奈都子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (40347191)
石田 陽子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60322335)
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (80305268)
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Keywords | 筋肉内注射 / 皮下組織厚 / 注射針刺入深度 |
Research Abstract |
科学的根拠に基づく筋肉内注射技術の検討のために今年度は以下の研究を実施した。 1.調査の同意が得られた健康成人23名、入院療養中及び外来通院中の成人、老人73名の超音波診断装置(エコー)による筋肉内注射部位の皮下組織厚の測定、皮下脂肪計による皮下組織厚の測定、BMIの算出を行った。前年度行ったデータを加えて男女別、年代別(18〜29歳、30〜64歳、65歳以上)に分けて分析を行った。その結果、エコーで行った組織厚の平均値は、男性は女性より全ての部位で薄く、肩峰三横指下部は0.5cm、ホッホシュテッツの部位とクラークの部位は0.6cm、4分3分法の部位はばらつきがあり0.7〜0.9cmで年齢が高いほど薄かった。女性の平均値は、肩峰三横指下部は0.7〜0.8cm、ホッホシュテッツの部位は0.8〜1.0cmで年齢が高いほど薄く、クラークの部位は0.9〜1.0cm、4分3分法の部位は1.2〜1.4cmで30歳〜64歳が最も厚かった。今後年代別、男女別の対象者のばらつきを少なくするように対象を増やし、筋肉内注射の注射針刺入深度のアセスメント法を検討する。 2.注射用薬剤が指示と異なる部位に注入された場合の薬理作用と組織傷害性について実験動物(ウサギ)を用いて検討した。筋肉内注射用薬剤であるプロゲデポーを皮下組織に注入した際、外部から肉眼的に観察できなかった組織傷害性が明らかとなった。皮下注射薬剤であるインスリンを用い、血糖値をパラメーターとしてその変動を検索した実験では、薬剤が筋肉内に注入された場合、薬効発現が30分以上速くなることを確認した。 3.山形大学医学部情報構造統御学講座形態構造医学分野の協力を得て解剖実習用遺体を用い筋肉内注射部位の観察を行った。肩峰三横指下部の筋肉内注射時に損傷の危険性のある腋窩神経と後上腕回旋動脈、橈骨神経と上腕深動脈を確認した。殿部は腸骨と中殿筋の位置、ホッホシュテッツの部位、クラークの部位、4分3分法の部位を確認し、坐骨神経、上殿神経の走行を確認した。
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Research Products
(2 results)