2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール含有速乾性手指消毒剤による除菌効果と皮膚への影響
Project/Area Number |
15592244
|
Research Institution | SONODA WOMAN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 恭子 園田学園女子大学, 看護学部, 助手 (90254474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 和浩 園田学園女子大学, 看護学部, 教授 (50151840)
|
Keywords | 手洗い / 速乾性アルコール手指消毒剤 / 除菌効果 / 手荒れ |
Research Abstract |
平成17年度に行った、1日10回5日間の手指衛生における皮膚への影響について症例数を加えるための追加実験をおこなった。皮膚表面の角質細胞については手背部では3基剤ともに細胞形態および重層値に有意な低下が認められ、指部ではウェルパスとゴージョーで細胞形態値および重層値に有意な低下が認められたが、石けん使用では有意な低下は認められなかった。TEWL値については3基剤ともに5日間の使用による有意な上昇は認められず、皮膚のバリアー機能に影響はなかったと考えられる。油分については5日間の使用で有意な減少は認められなかったが、手洗い前の測定値がすでに低く、測定方法に検討が必要である。手荒れに関する視診は手背、手掌、爪周辺、指先、指間に分けて観察を行ったところ、爪周囲や指先に多く、その症状はほとんどが乾燥であった。また、手背には手荒れの症状は観察されなかった。また、その使用感は人による個人差がみとめられ、使用者が自分にあった基剤を選択できることが手指衛生のコンプライアンスを上げるために有効ではないかと考えられた。 さらに、擦式エタノール手指消毒剤の使用量と除菌効果の関係について調べるためにゴージョーを1mlまたは2ml使用した場合の除菌効果とそれぞれの使用量で1日10回4日間使用した場合の皮膚への影響について検討したところ、2ml使用群と1ml使用群で手指衛生前の細菌数に有意差は無く、手指衛生後にどちらの群も手指衛生前と比較して有意に細菌数が減少した。また、手指衛生後の細菌数は2ml使用群のほうが1ml使用群と比較して少ないものの有意差は認められなかった。除菌率、指数減少値ともに2ml使用群のほうが1ml使用群と比較して高いものの有意差は認められなかった。使用量と除菌効果についての明らかな使用量と皮膚への影響については関係性が見いだせていないが、更なる研究が必要である。
|
Research Products
(1 results)