2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷者の日常生活行動の中で褥瘡発生要因となる行動の特定
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15592251
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Research Institution | Nagoya City University, School of Nursing |
Principal Investigator |
萩澤 さつえ 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90040071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教授 (30158224)
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Keywords | 脊髄損傷者 / 褥瘡発生 / 日常生活行動 / 座圧分布 / 減圧・除圧指導 |
Research Abstract |
脊髄損傷者(以下、脊損者)の日常生活場面でどのような行動が身体に圧迫を加えることになるのかを知るために、研究協力の得られた19名の脊損者を対象に聞き取り調査を行った。また、本人の承諾が得られた場合のみ、様々な場面での座位についてFSA圧力センサーマットにより体圧を測定した。それらの結果をもとに褥瘡予防のための日常生活指導、特に減圧,除圧方法を指導し、それによる効果を見た。 調査結果から、多くの対象者に日常生活場面で褥瘡予防のためにさまざまな工夫がみられた。また、車椅子上での体圧分散はクッション使用によりかなりできていたが、車椅子以外で畳の上や浴室の洗い場にそのまま座ると200mmHg以上の高圧が坐骨結節部に集中していた。聞き取り調査でも帰省時の畳上生活で褥瘡発生したケースも見られた。その他、入浴時にタイルの上に直接座るケース、少数例(2名)ながら休日のパチンコ座位や除圧なしの自動車運転も見られ、車椅子以外ではあまり褥瘡に気を使っていないことが推測される。座位に直接は関連しないが、衣服の選択、体重管理では褥瘡予防よりも自分の好みを優先する人が多く見られた。また、車椅子クッションの点検を定期的に行っている人は6/19名で、異常を感じた時のみ7名、殆んど点検しないが6名であり、中には同一クッションを8-10年使っている人も2名見られ、今後の指導ポイントであると考えられる。6カ月後に再度褥瘡発生の有無を尋ねたが、誰にも発生していなかった。しかし、一回の指導であるため、その効果とは言い切れない。今回は対象者が少数であったため断定的な結論は出せないが、褥瘡発生につながる要因には日常生活場面の中で車椅子以外の行動にもあることが示唆された。今後、日常生活を詳しく聞いていくことにより褥瘡発生の要因となった行動はかなり特定できると思われる。
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