2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592253
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 洋子 北海道大学, 医学部, 教授 (90162502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
良村 貞子 北海道大学, 医学部, 教授 (10182817)
森下 節子 北海道大学, 医学部, 教授 (80191021)
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Keywords | 安全対策 / 小児看護 / 事故予防 / 転倒転落 |
Research Abstract |
承諾が得られた3施設の小児病棟における事故防止対策の実態、ならびに入院中の満1〜6歳児の保護者60名に対し、子供の事故に関する認識について調査、検討し、以下の結果が得られた。 なお、本調査における事故とは、医療行為上の事故ではなく、日常的に起こり得る子供ならではの事故(転倒・転落、誤飲や窒息・打撲や外傷・火傷等)を指す。 1.施設の安全対策: 1)事故発生状況:調査前年度の病院別事故発生状況は、A病院が転落9件、B病院が転落9件および転倒2件、C病院では転落5件および転倒1件であったが、その他の事故はなかった。 2)3病院いずれも事故防止のための入院時資料を作成していたが、保護者を対象とするものが多く、小児を対象とする資料は、ビデオ・写真など、視覚的理解を促すものであった。 3)3病院いずれも事故防止目的で環境整備(点滴、ベッド柵に関する安全使用表示。点滴スタンド脚の5脚化等、用具の工夫。クッションフロア・プレイルーム等環境の工夫)を実施していた。 4)事故防止のために、B病院は7歳以上の患者を対象とする転倒・転落予測ツールを使用していた。 2.入院患児の保護者の意識(質問紙回収率88.3%): 1)保護者が入院中起こりやすいと考えている事故は、1位転落、2位転倒、3位打撲・外傷であった。 2)事故防止実施上の責任を保護者と回答した者は、91.5%であった。保護者が看護師に期待する事故防止策は「環境整備を徹底してほしい」60.4%、「子供の行動を注意して観察してほしい」10.4%であった。 以上のように、小児入院環境下では子供ならではの事故防止をするためのさまざま対策がとられていたが、小児入院施設としての統一的な安全基準はなく、施設の工夫に任されていることが明らかとなった。また、保護者は事故防止の責任を保護者にあると認識し、看護師に求める事故防止対策は、環境整備が多いことが示された。このようなところから、看護師は、小児の病状と捉えた観察や環境整備、安全基準の策定、保護者ならびに小児に対する教育等、具体的な事故防止の支援が今後の課題と考える。
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Research Products
(4 results)