2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592257
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
牛久保 美津子 東京医科歯科大学, 大学院・保険衛生学研究科, 助教授 (90213412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢富 有見子 東京医科歯科大学, 大学院・保険衛生学研究科, 助手 (40361711)
井上 智子 東京医科歯科大学, 大学院・保険衛生学研究科, 教授 (20151615)
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Keywords | 神経難病 / 相談ニーズ / 希少相談 / 早期介入 / 難病相談 / 評価 |
Research Abstract |
「神経難病療養者のスピリチュアルペインと緩和ケアに関する研究」の1年目は、難病医療相談に焦点をあて、以下の2つの研究に取り組んだ。 I.「難病医療相談会における希少相談の相談ニーズとその支援に関する質的研究」 難病患者・家族のニーズは複雑かつ個別性が高いため、きめ細かい対応ができるように、支援割合が比較的少ないケースを詳細に分析する必要がある。平成11〜13年度に東京都難病医療相談会で実施された全相談252件のうち、療養者が入院・入所中の相談は全25件(9.9%)であった。このうち、神経難病で診断後1年半未満の相談12件について、質的帰納的分析を行った。その結果、療養者の多くは高齢者であり、病状悪化が急速で重度な障害を有しており、また併存疾患も多いなど病状が複雑な状態であったことが明らかとなった。相談ニーズは(1)療養の場、(2)診断、(3)病気・治療、(4)経済面、に分類された。診断早期の高齢の神経難病療養者は病状悪化が急速であり、病状説明と療養の場に関する説明者重視した家族への早期介入が重要であり、重度な状態での早期退院を視野に入れた家族支援の強化とともに、第3者的立場を有する総合的難病相談機関の必要性が示唆された。 II.「利用者の声をもとに見出した難病医療相談会の課題」 本研究は、難病医療相談会の質向上をはかるための課題を見出すために、東京都難病医療相談会利用者135名に質問紙票調査を実施した。質問票は85名より回収された(回収率63%)。療養者の年齢は7〜81歳と幅広く、疾患数は約30に及んだ。回答者の8割から、相談会に対するおおむね高い評価が得られた。自由記載欄の記述を質的分析した結果、「運営面における個別的配慮の重点化」、「フォローアップ方法の検討」、「相談会は患者・家族自身が解決のための主体的な行動をとれるように支援することであることの説明強化」、「相談員としての傾聴の重要性の再認識」が課題として見出された。
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Research Products
(1 results)