2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592258
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正源寺 美穂 金沢大学, 医学部, 助手 (80345636)
加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350)
平松 知子 金沢大学, 医学部, 講師 (70228815)
天津 栄子 石川県立看護大学, 看護部, 教授 (30020027)
牧本 清子 大阪大学, 医学部, 教授 (80262559)
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Keywords | 転倒 / 予測 / ナースの直観 |
Research Abstract |
我々は入院高齢者の転倒予測に対するアセスメントツールを開発・評価している。その項目のひとつに「ナースの直感」があり、直感で予測した高齢者が転倒した比は6-8倍(相対危険比)と高い結果を得た。 そこで、本研究はこのナースの直感を直観として改め、入院高齢者の転倒の予知に関連した看護師の直観(臨床判断)の構造を明らかにし、プロセスを明確化することを目的に2年間に渡るものである。 本年度の目的と成果 1)「直感」および「直観」の文献検討と2)転倒の予測に対するナースの直観(臨床判断)の研究方法の選択である。 1)については文献検討ならびに文献上、直観の研究者として日赤看護大学の谷津裕子博士の論文が研究者らの意図を反映していることを知り、谷津氏を招いて、講義および討議を行った。 2)については、以下の2方法でデーター収集した。 (1)は入院高齢者の転倒しやすい2場面について、協力を得た患者2名の動作をビデオ撮影した。研究同意を得た看護師にビデオをみてもらい、その患者の転倒予測について語ってもらった。対象はN病院の看護師25名(すべて女性平均年齢は31.4±8.5歳)である。経験年数は平均9.1±7.8歳である。これらを谷津の方法と現象学による方法で分析中である。(2)は黒田(1999)が開発した本質的直観能力のスケール(KIIS)を著者から許可を得、研究同意を得たN病院のナース76名に使用した。すべて女性で平均年齢は35.0±11.1歳であり、うち正看護師が62名(81.6%)、准看護師が14名(18.4%)であった。本質的直観能力の総合得点は79.8点±10.2であった。准看護師は正看護師に比べて点数が有意に高く、項目別では経験豊富と巻き込みおよび感受性に有意差が認められた。つまり、この病院では准看講師の経験や感受性などが直観能力を高めていることが示唆された。 これらから、ナースの直観と関係する臨床判断の特徴の抽出や本質的直観について、それぞれに分析し、両者の関係についても検討したいと考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 泉 キヨ子: "患者個々の抱える要因をアセスメント-どのような場面で転倒・転落するのだろうか-"自立支援とリハビリテーション. 1(1). 10-18 (2003)
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[Publications] 泉 キヨ子: "アセスメントツール使用による転倒予測と看護介入"臨床老年看護. 10(3). 98-106 (2003)
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[Publications] 加藤真由美, 加藤尚昭, 加藤綾子, 泉キヨ子, 他: "デイサービスを利用している女性高齢者の転倒予防-下肢筋力・生活行動・転倒恐怖感と転倒との関係-"NPO法人 日本リハビリテーション看護学術大会集録. 130-132 (2003)
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[Publications] 平松知子, 泉キヨ子, 加藤真由美, 中島ゆかり, 他: "入院高齢者の転倒予測アセスメントに対する看護師間の一致度"日本老年看護学会 第8回学術集会抄録集. 137 (2003)
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[Publications] 泉キヨ子, 加藤真由美, 平松知子, 正源寺美穂: "回復期リハビリテーション病棟における転倒要因"第23回日本看護科学学会 講演集. 557 (2003)
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[Publications] 泉キヨ子, 平松知子, 加藤真由美, 正源寺美穂, 他: "入院高齢者の転倒予測に関するアセスメントツールの評価"金沢大学つるま保健学会誌. 27(1)(印刷中). (2003)