2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592267
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岸田 泰子 島根大学, 医学部, 助教授 (60294237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 毅 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10242231)
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Keywords | 思春期 / 家族支援 / 思春期の健康問題 / フォーカスグループインタビュー / デルファイ法 / トライアンギュレーション |
Research Abstract |
近年,若者の生活行動は大きく様相を変えている。不登校やひきこもり,凶悪犯罪の低年齢化や性行動の活発化などその生活全般に多様な問題が存在する。生活の基盤となる家庭,生活を共にする家族を含めた視点で思春期問題に取り組むことが急務である。そこで本研究は,思春期の子どもの養育上の問題や家族が抱える健康問題およびニーズを解明し,健康の保持増進のために必要とされる家族支援のあり方を模索することを目的とした。 本研究は,具体的には3つの質的・量的調査を組みあわせたトライアンギュレーションの手法を用い,最終的には思春期の子どもたち,その家族,養護教諭の三者から得られたデータを総合考察した。 3つの調査とは1.思春期の子どもたちを対象としたフオーカスグループインタビュー法による健康問題の抽出(質的調査),2.東京都および島根県の中学・高校の養護教諭を対象としたデルファイ法による質問紙調査により思春期とその家族の健康問題の抽出(質的および量的調査),3.中学生の子どもとその保護者を対象とした健康問題および支援のニーズと家族機能の量的調査,である。 1.によるフォーカスグループインタビューでは,中学生と高校生を対象として行い,健康全般に対する意識は中学生と高校生では大差ないが,高校生では異性との親しい交流が語られ,親子間での親密さは中学生より低く,自立意識が高まっていた反面,異性・同性の友人との対人関係における悩みを抱えている者が多くあるなどの特徴的な結果が得られた。2.による養護教諭が答えた思春期の健康問題として,基本的生活習慣の確立ができていないこと,家族関係のあり方,対人関係の問題などが挙げられた。3.による量的調査では,思春期の健康の認識や支援のニーズには親子間にズレがあることが示唆された。
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