2003 Fiscal Year Annual Research Report
育児困難や虐待を抱える母親の心理と虐待予防の援助システムに関する研究
Project/Area Number |
15592287
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田屋 明子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30336606)
井上 ひとみ 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (50295169)
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Keywords | 子ども / 虐待 / 育児 / 母親 / 心理 / 援助システム |
Research Abstract |
本研究は、子どもの虐待予防またはその重症化を予防するための「親のケア」を明らかにするために、(1)母親がどのような思いで虐待に至るのか、どのような状況で虐待が起こるのかを明らかにし、母親の立場から虐待発生を説明する新たな視点や概念の抽出を試みることと、(2)虐待予防をめざした援助システムや親へのアプローチを検討することを目的としている。平成15年度は、(1)の目的において、「子どもにイライラをぶつけてしまう、子育てがつらい、人との距離をうまくとることが難しいと思っている方へ」という呼びかけ用紙(インタビュー調査依頼用紙)を石川県内の市町村や保健福祉センターでの乳幼児健診や親子が集まる場所に設置してもらい、調査対象に該当すると思う者で、協力可能な者が「研究への参加申し出用紙」に連絡先とインタビューの希望日時や場所を記入し、ファックスまたは郵送で連絡してもらった。5名のインタビューの逐語録の分析が終了し、さらに、インタビュー調査と分析を平行してすすめている。 (2)に関しては、子どもの虐待予防活動の歴史が長く、先駆的な取り組みを研究的に行っている米国サンフランシスコの活動や虐待の現状、予防や援助システムを視察し、情報収集してきた。また関連学会においても、研究遂行に参考になるさまざまな情報を収集してきた。さらに、虐待予防のシステムに関する今後の研究的取り組みの可能性について、児童相談所と討議した。これらを基に、平成16年度においては、児童相談所における相談事例が乳幼児健診などの保健分野の関連職者との接触をどのように行ってきたのかを把握することなどを通して、虐待予防や援助のシステムのあり方を検討する予定である。
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