2004 Fiscal Year Annual Research Report
育児困難や虐待を抱える母親の心理と虐待予防の援助システムの関する研究
Project/Area Number |
15592287
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 ひとみ 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (50295169)
田屋 明子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30336606)
高窪 美智子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手
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Keywords | 子ども / 虐待 / リスク要因 / 育児 |
Research Abstract |
虐待の前段階から虐待に至るまでの育児状況を、暴力と暴言の頻度と程度により、(1)ノーマル、(2)ノーマルグレイ、(3)虐待的グレイ、(4)虐待イエローの4段階に分類し、その実態を明らかにするとともに、各段階の状況にある母親の関連要因を比較し、どのような要素が虐待状況に繋がるのかを検討した。3ヶ月・1歳半・3歳児健診を受診した母親1486名に調査用紙を配布し、郵送またはその場で537名より回収した。その結果、思い切り叩いたり暴言を繰り返し言うことが『よく』または『時々』ある「虐待イエロー」状況の母親が156名(41.5%)で、このうち『よく』行う者が24名であった。上記(1)〜(4)の状況に至るほど、実父母やわが子との相性が良くない、妊娠を望んでいなかった、育児に完璧さを求める、夫と気持ちが通じないと感じる母親が有意に多くなること、また虐待イエロー状況にある母親がその他の母親に比べ、実父との相性が良くない、妊娠を望んでいなかった、もともと子どもが嫌い、我が子が好きになれない母親が有意に多いことより、これらのリスク要因が重なることが虐待的な親子関係への悪化に繋がるのではないかと思われた。また、実父母やわが子との相性が良くない、育児に完璧さを求める、我が子が好きになれないなどは、先行研究等で指摘されていた虐待サバイバーの特徴と共通する部分が多く、被虐待歴が暴力・暴言の発生を予測する重要なリスク要因であることが確認された。
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Research Products
(1 results)