2005 Fiscal Year Annual Research Report
育児困難や虐待を抱える母親の心理と虐待予防の援助システムの関する研究
Project/Area Number |
15592287
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Research Institution | ISHIKAWA PRIFECTUALNUESING UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 ひとみ 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (50295169)
高窪 美智子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (60381696)
梅山 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (80326082)
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Keywords | 看護学 / 子育て / 母親 / 虐待 |
Research Abstract |
子どもの虐待またはその重症化を予防するために、関連職者が育児困難や虐待問題をもつ親や子に気づくための視点を明らかにし、精選された虐待リスクのアセスメントガイドを作成することを目的に、以下の2つの取り組みを行なった。結果の概要を示す。 1 育児困難や虐待を抱える母親がどのような思いで虐待的対応に至るのか 現在またはこれまでに、育児困難や虐待不安または虐待に悩んだことのある母親にインタビューし、3パターンがわかった。(1)子どもの存在が「母親の子ども時代の嫌な体験(虐待)」または関連事項を呼び覚ます元凶であるかのようで、子どもの反応を受け入れることができず、いらいらしてあたる場合、(2)「子ども時代の嫌な体験」とよく似た情緒体験をし、不安でいらいらしているときに子どもと関わり、怒りが爆発してしまう場合、(3)"きれて"衝動的に対応する場合。その瞬間、"叩いてわからすのがおもしろい"等の快感を伴うこともある。自分の人格がそのときだけ変わったように感じ、苦悩が深い。(3)以外では、母親のストレスは大きい。罪悪感と自己否定感が強い。 2 育児における虐待的養育態度の実態、関連する要因は何か 1)夜泣きなどの育児困難場面を経験した376名の母親のうち、思いきり叩く・暴言を繰り返し言ううことが『よく』または『時々』ある41.5%、このうち『よく』行う者が24名。 2)暴言・暴力、虐待の重症度、虐待重症化リスク(虐待不安を軸に分類)と有意な関係があったのは、子どもを育て難い、関わるのが困難子どもや自分の両親との関係がストレス、愛着性向(IWM)得点であったことから、これら4要因と「このままだと何をするかが怖い」という虐待不安が、周産期等親子関係形成のできるだけ早期に、虐待リスクの判断に有効ではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)