2005 Fiscal Year Annual Research Report
電話を用いた継続的支援による糖尿病患者のつらさと血糖コントロールに及ぼす影響
Project/Area Number |
15592297
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hokkaido College of Nursing |
Principal Investigator |
西片 久美子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 助教授 (90316307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 てる子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50247300)
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Keywords | 糖尿病患者 / つらさ / 電話支援 / 血糖コントロール |
Research Abstract |
糖尿病の教育入院中で、退院が間近な患者のうち研究協力が得られた実験群(電話支援群)と対照群の患者各々50名に対し、開始時の質問紙を送付し郵送法で回収した。また、実験群の患者には電話の日時を確認する往復はがきを出し、返送された患者に4週間に1回の割合で12ヵ月間、プロトコールに沿って研究者と研究協力者2名によって電話支援を実施した。12回の電話が終了した患者、および退院から12ヶ月を経過した対照群の患者に順次終了時の質問紙を送付、郵送法で回収した。 両群の開始時における年齢、性別、HbA_<1c>、食事療法にかかわるつらさ、自己管理行動の程度では、実験群に男性が多い以外は有意差がなかった。仮説(1)の「電話による12ヵ月後の糖尿病に関連するつらさは、実験群が対照群よりも良好である」では、わずかではあるが実験群が有意につらさが低く仮説は支持された。仮説(2)の「12ヵ月後の血糖コントロールは実験群が対照群よりも良好である」に関しては有意差が認められず、仮説は支持されなかった。また、自己管理行動では、開始時の調査で、食事の規則性と外食頻度において実験群のほうが悪い結果を示していたが、終了時には両群に差は認められなかった。具体的には、12ヵ月後では両群ともに食事の規則性、外食頻度に関する自己管理行動が低下するが、その程度は実験群に少なく、対照群では低下する割合が高かった。 以上より血糖コントロールに反映するほどの効果は見られなかったが、電話支援によって患者の心理的つらさは軽減され、また自己管理行動が低下していく程度を軽減することが可能であり、支援の有効性が確認できた。
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Research Products
(2 results)