2004 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦の夢の特徴と夢情報を媒介とした認知行動療法の検討
Project/Area Number |
15592299
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
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Keywords | 妊婦 / 夢 / 認知行動療法 / ストレス / コーピング |
Research Abstract |
本研究の目的は、妊娠期女性の夢(睡眠中にみた夢:以下夢)の特徴を定量的に明らかにするとともに、ストレスフルなイベントと関連する不快な夢に対する認知行動療法の有用性を定量的に検討することである。 本年度は、以下の点を検討した。 1.事例検討 (1)前置胎盤で入院中の初妊婦の夢について聞き取り調査を行った結果、お腹の中の赤ちゃんが奇形である夢や、出産に関する不安と関連する夢の内容を報告した。 (2)妊娠に否定的であり、出産後数日間児の世話を拒否した母親が、「分娩直後は真っ暗な闇の中を一人で歩いている。新生児室が火事になり、赤ちゃんが…と思うが、どうしても身体が動かない」夢を何回もみたと報告した。 以上から、現在のストレスや不安の状況が夢として報告されていた。 2.文献検討による妊婦の夢スケールの作成 妊婦の夢を内容別に分類した結果、その頻度が多い順に概観すると、「妊娠に関すること」、「赤ちゃんに関すること」、「パートナーとのこと」、「家族とのこと」、「妊娠による自身の身体的な変化」、「赤ちゃんの身体のこと」、「出産に関すること」のカテゴリーに分類された。これらカテゴリーを点数化し、リッカートスケールによる「妊婦の夢スケール」を作成した。 3.認知行動療法による夢介入の検討 Hillによる夢解釈モデルの3段階は、探索の段階(DRAW : Describe, Reexperience Feelings, Associate, Walking Life triggers)を使いながら、大づかみに夢のイメージを連想する)、洞察の段階(夢の意味するところをクライエントの協力のもとに洞察する)、アクションの段階(夢の変化)である。 4.質的データの定量的分析方法の検討 逐語録に基づき、統計ソフト「ワードマイナー」を用いて分析可能なことを確認した。 なお、来年度に実際の調査と分析、報告書の作成を計画している。
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