2003 Fiscal Year Annual Research Report
極低出生体重児の退院に伴う母親の生活リズムの変化と心身の健康に関する研究
Project/Area Number |
15592301
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
藤本 栄子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (80199364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夛田 奈津子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助手 (00340117)
黒野 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (10267875)
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Keywords | 極低出生体重児 / 生活リズム / 産褥期の健康 |
Research Abstract |
極低出生体重児の退院に伴う母親の生活リズムの変化の実態と母児の生活リズムの形成過程を明らかにするという3年間の目的に対して、本年度は成熟新生児の母親の状況も含めて、産褥期の母親と新生児の生活リズムに関する文献を検討した。その結果、新生児の生活リズムを形成する要素として、(1)睡眠・覚醒、(2)授乳(時間・間隔)、(3)排泄、(4)その他(沐浴・母親との相互作用を通した遊び・外出など)があり、母親については睡眠、食事、排泄、入浴などの基本的ニードに関する時間、育児、家事、仕事、自由な時間、休息等の生活時間が第一に挙げられていた。これらの項日を参考に、NICU退院後1年以内の極低出生体重児の母親5名に対して、インタビューを行った。インタビューの結果、ほとんど全ての事例で退院後は1〜2回の夜間睡眠の中断があり、修正在胎4〜5ヵ月においても夜間1回の睡眠の中断があった。児の睡眠-覚醒リズムの確立は、母親の生活リズムの形成に影響する主要な因子と考えられた。また、母親は、児の睡眠-覚醒と哺乳欲求にともなう授乳に合わせて自分の生活行動を変化させており、児の行動に対する予測能力、母親の生活行動の調整能力、サポートの有無などの関連要因が示唆された。さらに母親の1人は育児を行っていく際に、児の生命や将来の発達に対する不安が強く、そのために眠れなかったり、児の側を離れることができなかったことを話した。他の1人は、授乳技術に加えて抱っこやオムツ替えなどの育児技術に対する慣れが授乳行為にかかる時間を左右していたことを明らかにした。これらの結果から、早期産児の生命や発達に対する捉え方ならびに育児技術の修得について、母親の生活リズムとの関連を検討する必要があると思われた。
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