2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592302
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
篠原 ひとみ 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (80319996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (00319998)
|
Keywords | 口唇口蓋裂児 / 授乳 / ビン哺乳 / 人工乳首 |
Research Abstract |
研究の目的は、口唇口蓋裂児の母親に役立つ授乳ケアを目指して、VTRを使用して、児のビン哺乳の状態を撮影し、顎や顔面の筋肉の動きの観察を行うことである。しかし、この研究のためには、まず口唇口蓋裂児の授乳の実態を把握することが必要と考えた。K医科大学附属病院の形成外科外来において、受診にこられた4歳未満の患児の母親に研究目的を説明し、調査協力の同意が得られた33人から聞き取り調査を行った。そして、その結果以下のことが明らかになった。 1.両側口唇口蓋裂児の場合、普通乳首では上手く吸えず、専用乳首P型(ピジョン社)と細口ニップル使用者が30分未満で飲めていた。2.片側口唇口蓋裂児の場合、普通乳首使用者が4割、専用乳首P型使用者が4割を占めていた。3.授乳時間が、30分以上かかっていたのは、専用乳首N型(NUKの乳首HS)の7割、普通乳首6割に比べて、P型では5割とやや短時間であった。4.授乳困難では「時間がかかる」で困っていた母親が普通乳首の6割、N型全員、P型の4割であった。「吸えない」で困っていた母親が、普通乳首の7割、N型の5割であり、P型ではいなかった。これらのことから、P型がN型、普通乳首に比べて上手く飲めていたと考えられる。5.授乳指導は8割の母親が受けていた。その内容は大きく分けて5つあり、「乳首挿入方法」「抱き方」「上唇の閉鎖方法」「乳首の調整」「授乳技術」であった。6.授乳ケアについて半数の母親が「満足」と答え「不満」は2割弱、「どちらでもない」は2割強であった。その満足度には「具体的な授乳指導の有無」が大きくかかわっていた。7.半数の母親は授乳ケアについてなんらかの要望を持ち、その内容は「専用乳首の情報」「直接母乳の方法」「具体的な授乳方法」などであった。8.Hotz床装着後に使用乳首を変えた母親はごく少数であった。 口唇口蓋裂児の授乳状態を観察するためにVTRを用いてビン哺乳の状態を撮影した。口唇裂児1人、口唇口蓋裂児2人、健常児2人である。現在はVTRのテープの編集中であり分析を今後行う予定である。
|
Research Products
(1 results)