2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592306
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Research Institution | Shizuoka Junior College, University of shizuoka |
Principal Investigator |
塚本 康子 静岡県立大学短期大学部, 教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 祥子 福岡県立大学, 看護学部, 助教授 (40284921)
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Keywords | 終末期 / 療養場所 / 意思決定 / ギアチェンジ |
Research Abstract |
終末期における療養の選択について、実態とプロセスを明らかにするために、緩和ケア病棟に入院している患者本人に対するアンケート調査と面接調査、家族や遺族への聞き取り調査、緩和ケア病棟看護師や訪問看護担当者などに聞き取り調査を行ってきた。本年度は患者に対するアンケート調査結果を学会報告した。回収数は28人である。 ここでは27人までのアンケート集計について報告する。対象者は年齢42〜85歳、65歳末満が11人、65歳以上は16人、平均年齢66.7歳である。緩和ケア病棟に移ることは、「主治医から緩和ケア病棟の説明を受けた時」「緩和ケア担当医師から説明を受けた時」にほとんどが決めていた。入院するとき「非常に迷った」「迷った」人は18%で、迷いが「なかった」「全くなかった」人は78%であった。緩和ケア病棟に入院を希望した理由は、「とにかく痛みを取りたい」「治療をしたくない」「一人では何もできない」などと答えた。療養については、「できれば自宅療養したい」37%、「症状が落ち着いたら自宅療養したい」と19%が答えたが、一方で「できる限り入院していたい」と40%が答えた。 以上のように、緩和ケア病棟の患者は、苦痛の強さと、医師からの緩和ケアの説明を受けて入院を決め、医師の説明によって自分の「治療できない」病状を悟り、多くは迷いなく入院を決めていた。自宅療養を希望しても、「一人では生活できない」「苦痛が強い」状況や、家族に相談して入院を決めている状況から、介護者の存在が決定に影響していることが示唆された。また、患者がもっている緩和ケアに関する情報は、医師からの説明内容以外では、マスメディアや家族・親戚からの情報で、社会資源も含めて自ら情報を集めたという人はいなかった。在宅療養を可能にするシステム作りと同時に、情報提供という看護者の役割が示唆された。
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Research Products
(1 results)