2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆症患者の問題行動の意味の解明と看護介入方法の開発-入浴拒否,徘徊,収集癖-
Project/Area Number |
15592310
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
高山 成子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30163322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 美香 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (10382384)
半田 陽子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (20364119)
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Keywords | 認知症 / BPSD / 入浴拒否 / 徘徊 / 収集癖 / 看護 |
Research Abstract |
4〜8月に、倉敷市の老人保健施設で、入浴拒否4事例、徘徊2事例、収集癖2事例を調査した。その結果、累積事例は、入浴拒否13、徘徊10、収集癖7で、総計30となり、目標であった各問題行動別8事例、延べ24事例を達成できた。分析結果は以下のとおりである。 1.入浴調査: (1)拒否の理由は、数回の調査によってほぼ同一で、本人にとり意味のある理由と考えられた。 (2)軽度認知症は風邪等納得できる理由、中等度は失見当識による「金がない」等の理由であった。 (3)攻撃性は80%が「脱衣時」「お湯をかけられた」で起こっていた。 (4)脱衣時の攻撃性は、無理に引っ張る、脱がせるで生じていた。 2.徘徊調査: (1)徘徊目的は4タイプに分類され、各人2〜5タイプを有し、バラエテイに富む生活の現われと考えられた。 (2)徘徊時の気持は肯定的と否定的があり、介入の必要性の判断として有効であった。 (3)「集中する」「精神的安寧をもつ」「他者と関わる」「生理的欲求を満たす」で徘徊を中止した。 3.収集癖調査: (1)収集物品は「今の生活に必要な」「大事なもの」であった。 (2)物品の所有認識は、認知症重傷度と関連していた。 (3)物品管理は「自分で保管できる場所」で、認知症が重度になるにつれ身近となっていた。 (4)返却は、納得すれば返し、無理に取られそうになると興奮していた。 分析結果を、9月に第36回日本看護学会で2題(入浴、収集癖)、国際アルツハイマー協会国際会議2題(入浴、徘徊)発表した。また、本学学術雑誌に、2論文(徘徊、収集癖)投稿した。 本研究最終目標は、分析結果より介入方法を策定し、実践的介入を行なうことであった。が、分析過程で、認知症レベルによる違いがあるなどで調査事例追加が必要であったこと、介入方法は、十分な分析が必要であったことにより、計画を変更した。結果として、2月に研究代表者が入浴1事例に対し、1回め部分的介入、2回め研究代表者のみの介入を実施した。
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Research Products
(2 results)