2003 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者のセルフケア及びコミュニケーション能力を高める看護プログラムの開発
Project/Area Number |
15592311
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
別所 遊子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20190176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 美香 福井大学, 医学部, 講師 (90266669)
細谷 たき子 福井大学, 医学部, 助教授 (80313740)
渡部 月子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (20249064)
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Keywords | 痴呆症高齢者 / ADL / 認知レベル / 介入 / FIM / HDS-R / NMスケール |
Research Abstract |
研究目的:痴呆症高齢者の潜在化している能力を活性化させる看護ケアの方法を明らかにすることを目的とした、表題の3年計画の研究の初年度として、痴呆症が進行するとADLがどのように障碍されていくかを明らかにする。さらに看護介護職者に、痴呆症高齢者に特有のADLの障碍を改善するのに効果があった過去の看護介護ケアを聴取する。 研究対象及び方法:介護老人保健施設を利用しているアルツハイマー型痴呆症高齢者(20名)で、重症度別に施設運営管理者に選定してもらう。対象の属性等(年齢、性別、要介護度、等)、HDS-R、NMスケール、FIM(食事、整容、入浴、排泄、等)について、1-7点で評価する。またADL改善に効果があった介護看護の援助内容を、介護者に自由記載してもらう。研究の遂行に当たっては、所属大学研究倫理審査委員会の承認を受けた。 研究結果と考察:対象は、男性4名、平均年齢83.9(SD5.73)歳、HDS-Rは3-9点、平均11.05(SD4.73)、NMスケールは9-41点、平均22.6(SD8.58)であった。HDS-R得点とNMスケール得点の相関係数は、0.772(p=0.022)で強い関連があった。HDS-R得点を11/12点で2区分して、FIMの各項目得点を4/5で2区分し、クロス集計した結果、いずれもHDS-R高群は低群より、ADLの自立度が高かった。入浴と、社会的交流は有意差があったが(p<0.05)、整容と排尿と問題解決は、p値が0.05-0.10の間にあり、その他の食事、歩行、移乗、などには有意差は見られなかった。 多数の動作要素が組み合わさった複雑な動作は痴呆高齢者が自立して行うのは困難であり、看護介護者の見守り、声賭けを必要としていた。 次年度以降は、痴呆性高齢者の介入群を選定し、基本的ADLおよび、コミュニケーション能力を向上させると考えられる看護ケアを実施し、それぞれ対照群と比較してケアの効果を明らかにする。
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