2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者の大腿骨頚部骨折予防のための地域看護モデルの構築
Project/Area Number |
15592314
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 名古屋大学, 医学部, 教授 (50135373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 真紀 名古屋大学, 医学部, 助手 (30295167)
吉田 久美子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40259388)
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Keywords | 高齢者 / 骨折 / 社会参加 / QOL |
Research Abstract |
骨折予防の地域看護モデルの構築を目指し、地域在住の65歳以上の全女性高齢者を対象に、骨折・転倒経験と健康生活習慣や日常性生活自立度、社会参加状況、QOLの関連を探った。分析は大腿骨頚部骨折を含む骨粗鬆症性と思われる60歳以上での骨折経験者を骨折群、非経験者を非骨折群として検討を行った。その結果、以下のことが明らかになった。 骨折経験と現在のADLの関連では、骨折経験はADL自立割合が有意に低かった。また、他の骨折や骨折なし群に比べて、大腿骨頸部骨折群はADL非自立が自立に比べて有意に多かった。さらに、骨折経験群は前期・後期高齢者いずれもここ1年の入院や通院が多い傾向にあった。前期・後期高齢者いずれもここ1年の転倒あり群は転倒なし群に比べて、ADL状態が不良であった。骨折経験とQOLスコアの関連は前期・後期高齢者いずれも関連は認められなかった。また、骨折を大腿骨頸部骨折群、その他の骨折群、骨折なし群の3分類し、QOLスコアとの関連をみると、全対象者において大腿骨頸部骨折群は他の2群に比べて、QOL総合、身体領域スコアは有意に低く、心理領域、満足度の2項目はスコアが低い傾向にあった。後期高齢者のQOL総合スコアを従属変数に、年齢、ADL,健康施設利用、骨折経験、転倒経験の6項目を説明変数として重回帰分析を行った結果、ADL自立、温泉施設利用、転倒なしはQOLを有意に上昇させる方向に働いていた。地域高齢者の骨折予防のための地域看護モデルの重要な因子として、環境因子として他者との交流や地域集団の会合への参加など社会参加の推進、温泉・健康増進施設の効果的利用促進を図ること、個人的要因として、ADL自立、転倒予防対策の推進、医療状況の把握等についての体制を強化する。特に、温泉施設などは地域資源として有用であるので、その活用と促進を保健活動に組み入れていくことが重要である。
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Research Products
(3 results)