2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者在宅ケアにおける感染予防に関する細菌学的研究-エビデンスに基づいた地域看護・介護方法と在宅ケア感染予防マニュアルの検討-
Project/Area Number |
15592323
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
渡會 睦子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (50360003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 順子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (90310177)
山下 隆夫 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (80018928)
松田 幹夫 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40045761)
原 萃子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (10092719)
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Keywords | 感染 / 在宅感染 / MRSA / 訪問看護 / 手指 / Serratia marcescens / 吸引物品 / パルスフィールド |
Research Abstract |
高齢者・在宅療養者は一般に易感染性宿主であるため、高齢者・在宅療養者の増加、再興感染症や耐性菌の増加等に伴い、在宅における感染や感染症の発症防止は、今後の重要な課題となっている。本研究では、在宅ケアにおけるエビデンスに基づいた感染予防対策の基礎を確かなものとすることを目的とし、以下の研究を進めている。 1)在宅療養者・介護者・看護者の細菌(一般細菌・MRSA)検査の、遺伝子レベルでの追跡調査を行い、感染源・感染拡大について明確にし、感染予防方法を確立する。 2)エビデンスに基づいた感染看護・地域看護学における判断基準、及び、在宅ケア感染予防マニュアルを作成する。 研究1 【研究方法】 (1)療養環境及び介護手技などに関する質問紙調査(2)細菌検査(MRSA・一般細菌)の検査ならびにMRSAの遺伝子分析 菌検査については拭き取りを主とし、吸引に使用する物品6ヶ所は滅菌スピッツに直接採取した。細菌の同定は選択培地および非選択培地を用いて行った。MRSAの遺伝子分析はパルスフィールド電気泳動法を行いDNAの相同性を解析した。 【結果】 1 吸引物品からの検出率は平均13.9%、気管カテーテル用の水からは47.2%であった。カニューレ内側よりセパシア菌の検出があった者のカテーテルを浸す消毒薬(塩化ベンザルコニウム液)から同菌の検出がみられた。院内で、脱脂綿に蒸留水をしみこませたワッサー綿で吸引後の吸引カテーテルの表面を拭いていたが、カテーテルの再利用の場合、ワッサー綿の使用により吸引物品の菌検出を増加させている。 2 MRSAは、15名中8名から検出され、検出された49検体中47検体が、人体からの検出であった。そのうち、入院患者3名から検出されたMRSAは遺伝子分析により、同一DNAの株であった。 研究2 その他、これらの結果を元に在宅感染の菌検査を含めた研究を進め、県内訪問看護ステーションの感染対策の実際を調査確認し、マニュアルの作成に着手している。
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