2005 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームにおける痴呆高齢者の終末期の様相と看護ケアの課題
Project/Area Number |
15592326
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
北川 公子 新潟県立看護大学, 看護学部, 助教授 (30224950)
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Keywords | 認知症高齢者 / 終末期ケア / ターミナルケア / 終末期医療 / 経管栄養法 / 身体徴候 |
Research Abstract |
1.目的 認知症高齢者(用語変更に伴い課題名以外,認知症を用いる)の終末期ケアプログラム開発に資する基礎資料を得るために,終末期の進行過程を追求することを目的とした.本研究は2つの調査計画のもと2003年度に着手し,今年度は4年計画の3年目にあたる. 2.調査1の方法と結果等 (1)調査方法 新潟県内の某特養に入所中の重度認知症高齢者のうち,診断が明確で,かつ記録閲覧の許諾の得られた5名の入所以降の心身状態の変化をカルテから把握した. (2)結果および考察 開始初年度に1名が死亡し,現在4名のデータを収集中である.このうち2名は長期経管栄養受療者で,自己抜去,繰り返される発熱,嘔吐,肺炎,消化管出血などの共通する症状がみられた.経口摂取可能な2名も発熱,嚥下困難,喘鳴,嘔吐などの症状が繰り返されているが,このような状態で2年以上を経過していることから新たな身体徴候に注目する必要性があると思われる. 3.調査2の方法と結果等 (1)調査方法 千葉県内の某特養に入所中で,継続して本調査対象となっている29名中,情報保護による許諾に伴う脱落2名を除き27名の転機および体温,食事摂取量,体重等の把握を各種記録から行った. (2)結果および考察 死亡者は10名で,2003年8月〜04年7月に4名,2004年8月〜05年7月に4名,2005年8月〜12月に2名が死亡した.約2年半の死亡率は37.0%であった.このうち誤嚥の発生から一両日中に死亡に至ったケースが2事例あり,施設における嚥下機能評価に基づくハイリスク者の特定と援助の基準化の必要性が示唆された.
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Research Products
(1 results)