2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域の健康高齢者に対する記憶プログラム(物忘れ予防教室)の拡充と効果測定、および痴呆高齢者の記憶に対する系統的介入プログラムの構築
Project/Area Number |
15592340
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
井出 訓 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (10305922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 伸幸 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (10295917)
萩野 悦子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (10292070)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70285542)
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Keywords | 高齢者 / 記憶 / 物忘れ / 自己効力感 / 予防 / 介入プログラム |
Research Abstract |
本研究は、高齢者の記憶認知に関する基礎的な知識の蓄積と、それに基づくトレーニングプログラムの提供を目的として平成11年度より進められてきている研究である。平成15年度においては、記憶のトレーニングプログラムとして立ち上げられた、「物忘れ予防教室」を継続運営するとともに、予防教室による介入効果を導き出し、内外の学会(Gerontological Society of America 56^<th> Annual Meeting,日本老年看護学会第8回学術集会)等においてその成果を発表してきた。また、「物忘れ予防教室」を地域の活動として拡充していくことを目的とし、S市内で活動する保健師をはじめ、高齢者に対する健康増進活動をおこなう事業所に、プログラムの紹介と活動協力を依頼している。今年度は、M区の在宅介護支援センターの職員とチームを組織し、地域における新たな拠点として「物忘れ予防教室」の活動を始めつつある。大学を拠点とした教室では、今年度は7月から11月にかけての4グループを対象としてプログラムを実施し、計51名の参加者を得た。今年度のデータは現在分析中である。また昨年度の参加者を対象とし、6ヶ月後の追跡調査を行い、41名からデータを得ることができた。この41名の参加前・後における、メタ記憶、記憶の自己効力感、抑うつ感、健康感の測定結果を分析したところ、全体としては、自らの記憶力に対する認識、記憶の補助方法の利用頻度、また抑うつ感に有意な差が見られた。また、60歳以上の対象者に焦点をあててみると、6ヶ月後の追跡調査の結果において、記憶の自己効力感、記憶に対する認識、記憶の失敗体験に有意な差が現われ、高齢者の記憶に対する認識や自己効力感へのポジティブな影響が示された。来年度は、地域での活動拠点を増やし、教室運営のマニュアル化を行っていくとともに、プログラムの改善と効果の測定を継続する予定である。
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Research Products
(1 results)