2004 Fiscal Year Annual Research Report
看護師のバーンアウトとアサーティブネスな自己表現に関する研究
Project/Area Number |
15592343
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
鈴木 英子 天使大学, 看護栄養学部, 助教授 (20299879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 千史 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (60154069)
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Keywords | バーンアウト / アサーティブネス / 新卒看護職 / 職場環境 / 大学病院 |
Research Abstract |
1.全国102の大学病院から同意の得られた20施設に2003年4月、就職した新卒看護職のうち同意の得られた1203人を対象とし、同年6月に質問紙調査を実施した。 バーンアウトリスクの測定にMBIを使用した。なお、MBIについては、我々が「頻度」のみの回答で22項目を用いることが信頼性、実用性が高いことを明らかにしこれを用いた。MBIには、下位尺度が3つあり(1)身体的疲弊感及び(2)情緒的疲弊感と非人間化は点数が高いほどバーンアウトに陥っているとされ、(3)個人的達成感は低いほどバーンアウトに陥っていると解釈される。MBI得点上位約1/3(個人的達成感は下位1/3)を「バーンアウトリスク」群とした。アサーティブネス測定には、昨年我々が開発した日本語版Rathus Assertiveness Schedule(RAS)を使用した。多重ロジスティック回帰分析の結果、身体的疲弊感は、過去1年間の家族の重病、リアリティ・ショック、職場満足、仕事量、超過勤務、転職希望、同僚の相談相手とアサーティブネスに、情緒的疲弊感・非人間化では、過去1年間の自分の重病、職場満足、給与満足、仕事量、超過勤務、転職希望、その他の相談相手とアサーティブネスに、個人的達成感では、臨床領域、過去1年間の家族の重病、配置満足、先輩の相談相手とアサーティブネスと関連していた。新卒看護職では相談相手となる者の違いによって身体的疲弊、情緒的疲弊・非人間化、個人的達成感にあたえる影響の違いが示唆された。これらの違いは非常に興味深く、具体的なサポート体制の指標となるだろう。また、低いアサーティブネス得点は、バーンアウトリスク全ての下位尺度の予測因子となる可能性があることが明らかとなった。 2.2003年6月、自記式質問調査を郵送留め置き法にて実施し、有効回答を得た948人について2003年12月末までの退職者を確認した。多重ロジスティック回帰分析の結果、看護師の早期離職は看護専門学校卒、配置が希望と違い不満な者、同僚の相談相手無しの者が退職しやすい事が明らかになった。また、バーンアウトは早期退職への直接的影響は低いと考えられた。 3.本年度 2004年6月、2005年2月に上記研究の追跡調査が終了した。
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Research Products
(2 results)