2004 Fiscal Year Annual Research Report
都市部と中山間地域における家族ケアコンサルテーションの比較研究
Project/Area Number |
15592344
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原 礼子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (50189693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 由美子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助手 (10338197)
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Keywords | 訪問看護師 / 介護支援専門員 / 家族アセスメント / 精神障害者 / コンサルテーション |
Research Abstract |
今年度の研究目標は、看護職の活動と直面している問題の実態調査とコンサルテーションの実施である。 1.訪問看護師が実践活動で出会う対応に苦慮した家族について、その状況を明らかにし家族ケアに関する支援のあり方を検討するために、神奈川県内に設置されている訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師を対象に自由記述による質問紙法を実施し、内容分析を行った。質問紙配布者260名のうち93名(回収率36.2%)から回答があった。回答者のうち83名が対応に苦慮した家族に出会っていた。彼らの訪問看護師としての勤務経験は、5年未満が45名、5年以上10年未満が25名、10年以上が13名であり、83名のうち何らかの支援を希望した者は52名であった。訪問看護師は、【家族と訪問看護師自身との関係性】、【家族介護力の乏しさ】、【家族関係の悪さ】に苦慮していた。訪問看護師の希望する支援内容は、具体的な家族介入の方法を教えてほしい、とにかく自分の話を聞いてほしい、自分の対応はこれでよかったか一緒に確認してもらいたいなどが挙げられた。さらに、現場では混乱をきたしているといわれている精神障害者を抱える家族への対応について、都市と農山村で勤務する介護支援専門員を対象に同様の質問紙調査を実施した。そのうち対応に苦慮した場面は、ケアプラン作成や説明のときであり、サービス導入説明時や具体的なサービス提供時にでも苦慮していた。求める支援としては対応困難事例への具体的な助言、行政や医師たちとの連携などであった。2.コンサルテーションの実施では、事例をもとに家族アセスメントなど家族ケアの基本となる知識の伝達と具体的な介入についての講義、訪問看護ステーションにおける継続的な事例検討を実施。具体的な介入方法についてヒントを得た、自分の援助傾向を知ることができたなどコンサルテーションの効果が示唆された。
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