2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者高度医療専門病院における終末期ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
15592346
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
水野 敏子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10153305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會田 信子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80291863)
浅川 典子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00310251)
小長谷 百絵 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10269293)
北 素子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (80349779)
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Keywords | 高齢者 / 終末期経過 / 高齢者高度医療専門病院 / 苦痛 |
Research Abstract |
今年度は高度医療病院における高齢者の終末期ケアの実態を調査し、問題点や特徴を明らかにすることにより、ケアプログラム作成の資料をうることを目的に調査を行った。病院における倫理委員会が遅れ時間を要したことや、もう一箇所の病院が公社化に伴い調査困難となり調整が必要であったことなどにより、調査の開始が遅くなった。また、研究者がカルテから情報を得ることや、面接を受けることについて病棟医師や看護師の協力が得られず、看護師がその月に亡くなった高齢者について、経過を記載する方法に変更した。調査病棟は前年度亡くなられた高齢者の多い病棟順に3箇所で実施した。記載方法の統一を図るためにプレテストを行った。その結果調査項目を詳細に設定する必要があること、特に高齢者の苦痛を表示することが難しいことが判明し、患者の観察・確認項目を詳細に設定した。高齢者は1週間以上入院している人とした。 その結果10月末から1月中旬までに得られたデータは35であり、呼吸器病棟23名、神経内科5名、循環器病棟2名であった。性別は男性19名、女性16名であり、平均年齢は81.5歳、平均在院日数は23.9日であった。入院時に認知障害のあるものは94.3%と多く、意識障害を持っていたものは74.3%であった。入院中に継続的に疼痛や苦痛を有していたものは42.9%と半数近くであった。しかし、認知障害があり直接疼痛を訴えない場合には疼痛や苦痛がないと判断されている傾向も見られた。またモルヒネ等の麻薬の使用等は少なく、医師の判断で、セデーションの実施等が決定されていた。医療チームで検討することは困難であり、その結果が患者さまに影響している場合もあった。まだ分析を始めたばかりであり、今後さらにデータを蓄積し詳細な分析を行うとともに、結果の確認を看護師とともに行う予定である。
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