2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者高度医療専門病院における終末期ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
15592346
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
水野 敏子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10153305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 百絵 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10269293)
浅川 典子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00310251)
會田 信子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80291863)
北 素子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (80349779)
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Keywords | 高齢者 / 終末期ケア / 高齢者高度医療専門病院 / 看護師の認識 / 終末期ケアの課題 |
Research Abstract |
医療施設における高齢者の特性を踏まえた終末期ケアプログラムを開発するために、平成15年度は終末期にある高齢者の状態について調査し、高齢者の側からみた解決すべき問題を検討した。その結果を平成16年度に、「高度老年専門病院における老年者の終末期における身体的苦痛」というテーマで、ソウルで行われたThe 8th Annual Conference East Asia Forum on Nursing Scienceで発表した。癌の患者が死亡前2-3日に苦痛が強くなるのに比べ、老年の場合には死亡前直前には意識障害が生じやすいためそれ以前の症状緩和が重要になること等について発表した。終末期ケアへの関心が高く、治療の男女差の有無、研究手法等について質問があり、活発に交流を行なった。 平成16年度はケアプログラム開発の資料を得るために、終末期看護に対する看護師の認識とケア実践について調査を行い、看護師が認識している終末期ケアの課題を分析した。平成15年度に調査を行った3病棟で調査期間に死亡された高齢者35名のうち80%が呼吸器病棟で亡くなっていた。そのため本年度は呼吸器病棟の看護師に面接をし、日頃終末期ケアを実践する上で大切に思っていること、困っていること、比較的良くできているケアなどについて半構成的質問を行った。面接の前に、研究の趣旨について文書を用いて説明し、同意の得られた看護師9名に面接を行った。面接は一人1時間程度であった。面接の内容をテープで起こし、質的分析を行った。その結果終末期ケアの中で難しいと考えていたのは、(1)退院時期、もしくは外泊時期を見計らい、自宅にかえることができるようにするための援助、そのための事前準備など、(2)医師と家族、看護師との意見調整の難しさ、(3)家族のケアへの参加と家族ケアの難しさ等があった反面、意思があいまいな高齢者が多い中で、家族の意向を重視し、家族が望む方向でケアを進めていこうとしていた。本調査の成果を来年度にブラジルで開催される世界老年学会で発表予定である。なお本研究は調査施設の病院において倫理委員会の承認を得ている。
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