2003 Fiscal Year Annual Research Report
二次医療圏中核病院における退院調整部門の退院支援方策,専任看護師の退院調整機能の分析
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15592353
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Research Institution | Gunma Prefectual College of Health Science |
Principal Investigator |
飯田 苗恵 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 講師 (80272269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 昌子 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 助手 (20352619)
清水 千代子 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 助教授 (90258880)
牛込 三和子 群馬大学, 医学部, 教授 (10176654)
佐々木 馨子 群馬大学, 医学部, 助手 (20334104)
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Keywords | 退院支援 / 退院調整 / 看護相談 / 二次医療圏 / 継続看護 / 在院日数 / 退院支援機関 / 退院先 |
Research Abstract |
1.研究の概要 本研究では、退院調整部門を有する二次医療圏中核病院において、看護師が退院支援を行った患者の相談票、診療録・看護記録を資料とし、退院支援を受けた患者の特性、退院先、退院調整期間、在院日数等の実態を明らかにすることを目的とした。 対象は、平成14年度に対象病院退院調整部門看護師によって、退院支援を受けた患者の相談票、診療録、看護記録とした。対象病院は病床355床で、圏域の1市4町村、人口8.4万の地域中核病院である。調査は、上記資料から退院支援患者の基本属性、疾病、在院日数、退院調整日数、退院先、退院時医療依存状態、家族構成、痴呆の有無を抽出した。分析は、退院支援が終了した患者について、上記項目を退院先別に整理した。主疾病は、国際疾病分類により分類した。年齢、医療依存は退院時のものとした。 調査期間は、平成15年6月から8月。倫理的配慮として、個人が特定されないよう量的な処理を行った。また、院内の倫理審査会を経て、施設長の了承を得た。 2.結果の概略 退院支援の依頼があった患者は265人で、うち支援中止となった対象者は5人、支援経過中の死亡が8人あった。支援患者の退院先は、自宅47人(18.7%)、病院・診療所183人(72.6%)、施設等22人(8.7%)であった。移行先は9病院1診療所で、施設等は12施設であった。支援患者の年齢(平均±標準偏差)は、78.2±10.5歳で、退院先が自宅、病院・診療所、施設の順に年齢が高くなっていた。疾患は、循環器疾患が37.7%を占め、うち脳血管疾患が32.1%で、筋骨格系及び結合組織の疾患が17.9%であった。施設への支援患者は呼吸器系疾患が36.4%で多かった。入院中の治療方法は、手術21.0%、薬物・保存療法77.8%であった。退院時に何らかの医療の管理・指導を必要とする支援患者は35.7%であった。痴呆を有する支援患者は全体で28.6%、施設等へ移行した患者は63.6%であった。支援患者の家族員数は1人が25.0%、2人が23.8%であった。在院日数(平均±標準偏差)は38.5±40.6日で、自宅、病院・診療所への患者は約39日、施設等への患者は約29日であった。支援期間(平均±標準偏差)は15.7±22.7日で、退院先が自宅、病院・診療所、施設の順に支援期間が短かった。 3.成果の発表 本研究の成果の一部は、第8回日本在宅ケア学会学術集会において、「二次医療圏中核病院の退院調整部門の看護師による退院支援の実態調査」として発表した。
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